隠遁
いんとん
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
retirement (from the world)
文例 · 用例
寺の住持になって世を隠遁し、読経と墓掃除に余生を送りたいといった彼の言葉は、決して一時の戯れではなく、彼の心の無限の悲哀を告白した言葉であった。
— 室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 『小泉八雲の家庭生活』 青空文庫
元来日本文化は、上古の奈良朝時代までは、海外雄飛の建国時代であったため、人心が自由で明るく、浪漫的の青春性に富んでいたのであるが、その後次第に鎖国的となり、人民の自由が束縛されたため、文学の情操も隠遁的、老境的となり、上古万葉の歌に見るような青春性をなくしてしまった。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
浮世を隠遁したり、誘惑を恐れて必死になって逃げようとするなどは仏教の方でも低劣な小乗仏教と言って嫌います。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
大乗というのは何かと申しますと、一口に言いますれば、治生産業ことごとく仏法にあらざるなしという大見解に立つ主張でありまして、消極的に隠遁して、独り清く澄し込む小乗仏教とは反対であります。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
自棄生活、隠遁生活、そして自己破壊。
— 種田山頭火 『雑信(二)』 青空文庫
茶の花に隠遁的なものがあることは否めない。
— 種田山頭火 『草木塔』 青空文庫
彼は隠遁生活の前、洛邑に棲んで居た頃度々(時には妻の田氏とも一緒に)宴席やその他の場所で彼女に会ったことがある。
— 岡本かの子 『荘子』 青空文庫
太郎左衛門は妖僧をとり逃がしたことなどが原因となって、次第に主人の前が不首尾になったので、その秋|生国の遠州浜松在に隠遁して、半士半農の生活を送ることとなったが、その翌年の正月になって主家は改易になってしまった。
— 田中貢太郎 『切支丹転び』 青空文庫
作例 · 標準
「あんなに野心的だった彼が、政界の争いに嫌気が差して山奥に隠遁してしまうなんて」
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隠居して俗世から隠遁した老人は、晴耕雨読の静かな日々を過ごしている。
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「もう十分働いたよ。これからは喧騒を離れて、田舎で隠遁したいと考えているんだ」
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中世の文人たちは、権力争いを避けて深山に隠遁し、自然を愛でる詩を多く残した。
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