靄
もや異読 モヤ
名詞頻度ランク #28587 · 青空 1649 例
標準
mist
文例 · 用例
馬場の蒼黒い顔には弱い西日がぽっと明るくさしていて、夕靄がもやもや烟ってふたりのからだのまわりを包み、なんだかおかしな、狐狸のにおいのする風景であった。
— 太宰治 『ダス・ゲマイネ』 青空文庫
香水、麝香、油煙、マニラの臭氣相混じて一種縁日臭を作り、靄々然として、人自らそが上を蹈み、そが中を歩めり。
— 萩原朔太郎 『二十三夜』 青空文庫
蒸し暑い、蚊の多い、そしてどことなく魚臭い夕靄の上を眠いような月が照らしていた。
— 寺田寅彦 『田園雑感』 青空文庫
春の思ひ出摘み溜めしれんげの華を 夕餉に帰る時刻となれば立迷ふ春の暮靄の 土の上に叩きつけいまひとたびは未練で眺め さりげなく手を拍きつつ路の上を走りてくれば (暮れのこる空よ!
— 中原中也 『山羊の歌』 青空文庫
が、乳色の、磨硝子の靄を通して灯を見るように、監獄の厚い壁を通して、雑音から街の地理を感得するように、彼の頭の中に、少年が不可解な光を投げた。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
靄の先の光は、月であるか、電燈であるか、又は窓であるか、は解らなかったが光である事は疑う余地がなかった。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
華々しいもの、潔いもの、勇壮なるもの、さう云つたものから、子供の家へ帰ると、ひつそりと沈んだ冷え冷えとしたものが、両親の体臭のやうに、家中を靄のやうに立ちこめてゐた。
— 葉山嘉樹 『氷雨』 青空文庫
さて、その花達に夜の間宿った露、朝日が射せば香わしいほのかな靄となって私達のもすそをしめらす。
— 岡本かの子 『五月の朝の花』 青空文庫
作例 · 標準
「早朝の湖に靄が立ち込め、幻想的な雰囲気に包まれている。」
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「山道が深い靄に覆われて、一寸先も見えない状態になった。」
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「都会の夜景が薄い靄の向こうで、ぼんやりと霞んでいる。」
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ウィキペディア
靄(もや)とは、空気中に浮遊する細かい水滴や吸湿性の微粒子により見通しが悪くなっている状態で、かつ視程 1 キロメートル(km)以上の場合をいう。ふつう、空気が灰色がかって見える。
出典: 靄 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0