黒風
こくふう
名詞
標準
sky-darkening dust storm
文例 · 用例
康頼 法華経の中にも入於大海仮使黒風吹其船舫飄堕羅刹鬼国其中一人称観世音菩薩名者是諸人等皆得解脱羅刹之難とかいてあります。
— 倉田百三 『俊寛』 青空文庫
今は恐ろしき沈黙はすでにとく破れて、雷鳴り電ひらめき黒風吹き白雨ほとばしる真中に立てる浪子は、ただ身を賭して早く風雨の重囲を通り過ぎなんと思うのみ。
— 徳冨蘆花 『不如帰 小説』 青空文庫
その夜は近隣の村々に黒風、白雨は猛りに猛り狂いに狂った。
— 小川未明 『森の妖姫』 青空文庫
話は昔の中国の偸盗説話に繋るような狡智をきわめた手段を用いたもので、それは、黒風吹きすさみ、人々も家の戸を閉じて居たような日に行われた面白い話であった。
— ――南駅余情―― 『こがらし』 青空文庫
馬鹿騒ぎに夢中になって居た隣の食堂は、ハタと鳴を鎮めて一時は墓場のような沈黙に陥りましたが、それもほんの暫らくで、嵐の前の静寂が掻き乱されると、黒風白雨競い打つように、食堂は再び大混乱の渦を巻き起しました。
— 野村胡堂 『死の舞踏』 青空文庫
湖面が青天白日の平和な光景である限り、沿岸だけが黒風白雨の天気に支配されるというはずはない。
— 農奴の巻 『大菩薩峠』 青空文庫
一|陣の黒風がサッと流れて、いままでほがらかだった春暁の光はどこへやら、あたりは見るまに墨色にぬりつぶされ、ザアッ――という木の葉のそよぎとともに、雨か霧かしぶきか、なんともいえないしめッぽい水粒がもうもうと立ってきた。
— 吉川英治 『神州天馬侠』 青空文庫
山が鳴り谷が吼え、黒風、飛葉、つむじとなって、一瞬は何もかも目になど全くとまらない。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
作例 · 標準
砂漠を旅している最中、突如として黒風が吹き荒れ、一寸先も見えない暗闇に包まれた。
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古い記録によれば、その年は猛烈な黒風が街を襲い、作物はすべて砂に埋まったという。
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「うわっ、黒風だ!急いで建物の中に避難するんだ!」
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