凶変
きょうへん
名詞
標準
catastrophe
文例 · 用例
これに対しては出来るだけの応急救済法を講じなければならないことは勿論であるが、同時にまた将来いつかは必ず何度となく再起するにきまっているこの凶変に備えるような根本的研究とそれに対する施設を、この機会に着手することが更に一層必要であろうと思われる。
— 寺田寅彦 『新春偶語』 青空文庫
劉万戸は夫人から凶変を聞くと、顔色を変えてとび起き、そそくさと花園へ駈けつけた。
— 田中貢太郎 『断橋奇聞』 青空文庫
媼の頭には新人の凶変のみが映っていた。
— 田中貢太郎 『竇氏』 青空文庫
が、あの大地震のような凶変が起って、一切の社会的束縛が地上から姿を隠した時、どうしてそれと共に私の道徳感情も亀裂を生じなかったと申せましょう。
— 芥川龍之介 『疑惑』 青空文庫
そう云えば、細川家には、この凶変の起る前兆が、後になって考えれば、幾つもあった。
— 芥川龍之介 『忠義』 青空文庫
博士は此の空前絶後の凶変を世人に公表すべきか否かについて熟考した。
— 岸田國士 『麺麭屋文六の思案(二場)』 青空文庫
福原にどうやら新都らしいおもかげが出てきたが、凶変の重なった夏もすでに過ぎ、秋はすでに半ばである。
— 第五巻 『現代語訳 平家物語』 青空文庫
米沢町の路地の中の巴屋は、二度目の凶変に静まり返って居りました。
— 腰抜け彌八 『銭形平次捕物控』 青空文庫