金泥
きんでい異読 こんでい
名詞
標準
gold paint
文例 · 用例
(この詩集に※入した金泥の口絵と、赤地に赤いインキで薄く画いた線画がその形見である。
— 萩原朔太郎 『月に吠える』 青空文庫
紺地に金泥のごとく、尊い処へ、も一つの室には名も知れない器械が、浄玻璃の鏡のように、まるで何です、人間の骨髄を透して、臓腑を射照らすかと思う、晃々たる光を放つ。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
」 と腰袴で、細いしない竹の鞭を手にした案内者の老人が、硝子蓋を開けて、半ば繰開いてある、玉軸金泥の経を一巻、手渡しして見せてくれた。
— 泉鏡花 『七宝の柱』 青空文庫
この須弥壇を左に、一架を高く設けて、ここに、紺紙金泥の一巻を半ば開いて捧げてある。
— 泉鏡花 『七宝の柱』 青空文庫
見返しは金泥銀泥で、本経の図解を描く。
— 泉鏡花 『七宝の柱』 青空文庫
色紙、短冊でも並びそうな、おさらいや場末の寄席気分とは、さすが品の違った座をすすめてくれたが、裾模様、背広連が、多くその席を占めて、切髪の後室も二人ばかり、白襟で控えて、金泥、銀地の舞扇まで開いている。
— 泉鏡花 『木の子説法』 青空文庫
」 彼女が裸に矢飛白の金泥を塗って、ラパン・ア・ジルの酒場で踊り狂ったのは新吉の逢った二回目の巴里祭の夜であった。
— 岡本かの子 『巴里祭』 青空文庫
金泥を空にながして彩つた眞夏のその壯麗なる夕照に對してこころゆくまで、銀鈴の聲を振りしぼつて唄ひつづけた獨唱の名手、天飛ぶ鳥も翼をとどめてその耳を傾けた、ああ、これがかの夕日の森に名高く、齢若き閨秀樂師のなれの果であらうとは!
— 山村暮鳥 『ちるちる・みちる』 青空文庫