三春
さんしゅん
名詞
標準
three spring months
文例 · 用例
いつも自分の目先にちらついているものは、少年の頃、三春秋、父の病気をなおそうとして質屋の店台と薬屋の店台の間を毎日のように往復し、名医と称せられる詐欺師の言を信じて、平地木やら原配の蟋蟀やらをうろうろ捜し廻っている自分の悲惨な姿であった。
— 太宰治 『惜別』 青空文庫
政宗の方の片倉|備中守が三春の城に居るから、油断のならぬ奴への押えである。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
世情は常に眼前に着して走り天理は多く背後に見はれ来るものなれば、千鐘の禄も仙化の後には匹夫の情をだに致さする能はず、狗馬たちまちに恩を忘るゝとも固より憎むに足らず、三春の花も凋落の夕には芬芳の香り早く失せて、たる大日輪は螻蟻の穴にも光を惜まず、美女の面にも熱を減ぜず、茫たり、何とりいでゝ歎き喞たむ。
— 幸田露伴 『二日物語』 青空文庫
彼は川崎の方へ行商に往くと云って家を出、川崎の方へは往かずに奥州街道をくだって三春へ往き、其処の二日町と云う処に借家をしていた。
— 田中貢太郎 『山姑の怪』 青空文庫
さうして「ツアヽ」 と一聲大きくいつて「おれも三春へ行つて見てえ積だが、こんだ行く時にや一緒にすべえぢやねえか。
— 長塚節 『芋掘り』 青空文庫
その詩は諸君もご承知のとおり山陽の詩の一番初めに載っている詩でございます、「十有三春秋、逝者已如水、天地無始終、人生有生死、安得類古人、千載列青史」。
— 内村鑑三 『後世への最大遺物』 青空文庫
だから――」「なるほど、ちっと眼が狂ったようだが、じゃなにかい、鼻緒のその正体は、妹がなにか三味線いじりをしているんだな」「へえい、ほんの少しばかり、糸の音の好きなおかたなら、墨田舎二三春っていや、あああれかとごひいきにしてくださるけちなやつでござんす。
— 幽霊水 『右門捕物帖』 青空文庫
そうか、二三春がそちの妹か。
— 幽霊水 『右門捕物帖』 青空文庫
作例 · 標準
三春の候、いかがお過ごしでしょうか。暖かくなってまいりました。
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今年の三春は例年より暖かく、桜の開花も早かった。
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平安時代には、三春の風景を詠んだ和歌が多く残されている。
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