買い込む
かいこむ
動詞-五段-マ行動詞-他動詞
標準
to buy in quantity
文例 · 用例
わたしの店では武具を扱わないから、ほかの店へ持って行ってくれと一旦は断わったそうですが、幾らでもいいから引取ってくれと頻りに頼むので、こっちも気の毒になってとうとう買い込むことになったのだということです。
— 岡本綺堂 『兜』 青空文庫
それも一軒の店で一度にたくさん買い込むと人の眼につくので、田舎者の振りをして方々の店から少しずつ買いあつめていたのに相違ねえ。
— 雪達磨 『半七捕物帳』 青空文庫
青木が、クラスの中で最も多く原書を買い込む事実からいっても、彼がその時まで給与されていた学資は、かなり豊富であったらしかった。
— 菊池寛 『青木の出京』 青空文庫
その頃この男は世界でも有数の宝石商で、年々何十万、何百万円の取引をして、どんな高価な宝石でも、売る人さえあればどしどし買い込むのであった。
— 小酒井不木 『変な恋』 青空文庫
そうすると、雨のなかをあちこちの家から細君や娘たちが走り出てその日の石炭を買い込む。
— テムズに聴く 『踊る地平線』 青空文庫
これはなぜかといえば、いくら金持ちだからといって、靴のごときものをそうたくさん買い込むものではない。
— 河上肇 『貧乏物語』 青空文庫
こっそり米を買い込む算段ならすれば出来るが、私も内心この村の批評をしたい食指いまだに失うことが出来ないので、批評をするからは、やはり少しは欲を抑える忍耐が必要になって力が要る。
— ――木人夜穿靴去、石女暁冠帽帰(指月禅師) 『夜の靴』 青空文庫
駅の売店で、青いバット五ツ六ツも買い込むと私は汽車の窓から、ほんとうに冷たい握手をした。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫