かき消す
かきけす
動詞-五段-サ行動詞-他動詞
標準
to erase
文例 · 用例
されどかれも年若き男なり、時にはわが語る言葉の端々に喚びさまされて旧歓の哀情に堪えやらず、貴嬢がこの姿をかき消すこともあれど、要するに哀れの少女よとかこつ言葉は地震の夜の二郎にはあらず、燃ゆる恋はいつしか静かなる憐みと変われり。
— 国木田独歩 『おとずれ』 青空文庫
さ、わしの役目も、もう済んだぞ」 お祖父さんの姿は、その時、突然かき消す様に、トシオの瞳から、なくなりました。
— 岡本かの子 『トシオの見たもの』 青空文庫
ストーブも、かき消すように見えなくなりました。
— ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 『マッチ売りの少女』 青空文庫
女は、あの孟宗竹のあいだをくぐって、それから、ふっと姿をかき消す。
— 太宰治 『彼は昔の彼ならず』 青空文庫
しかも最も不思議な事に、その怪漢の悪戯でもございましょうか、スパダ氏の死体と玉兎女史の死骸が警官の出動と同時にかき消す如く消え失せました事で、そのために当局では事件の真相が判明せず、些からず困惑している模様で御座います。
— 夢野久作 『冥土行進曲』 青空文庫
と思うまもなくその白い大きな帆さえが、降りしきる雪の中に薄れて行って、やがてはかき消すように見えなくなってしまった。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
それとももう一度名前を呼んだら、線香の上にたまった灰が少しの風でくずれ落ちるように、声の響きでほろほろとかき消すようにあのいたいけな姿はなくなってしまうのではないだろうか。
— 有島武郎 『或る女』 青空文庫
冷やかな風があって、眼下の瀬の音をかき消す位いの蝉時雨が林を包んでいる。
— 若山牧水 『みなかみ紀行』 青空文庫
作例 · 標準
大きな波が砂浜の足跡をすべてかき消した。
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彼の怒鳴り声は、他の会話をすべてかき消すほどだった。
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過去のつらい記憶を、新しい経験がかき消してくれることを願った。
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強風が焚き火の炎を瞬く間にかき消してしまった。
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