七輪
しちりん
名詞
標準
earthen charcoal brazier (for cooking)
文例 · 用例
「お腹を拵へないことには、手伝つても貰へまいから、まづお午御飯だが、あの七輪にタンと火を起こして頂戴」「あゝ疲れた疲れた」と云つてパツタリ坐る。
— 中原中也 『引越し』 青空文庫
浚渫船のデッキには、石油缶の七輪から石炭の煙が、いきなり風に吹き飛ばされて、下の方の穴からペロペロ、赤い焔が舌なめずりをして、飯の炊かれるのを待っていた。
— 葉山嘉樹 『浚渫船』 青空文庫
子供が七輪の炭火の上に倒れても、よう起さないで泣き出してしまう老人に、――畜生!
— 葉山嘉樹 『生爪を剥ぐ』 青空文庫
下谷のある町の金貸しの婆さんの二階に間借りして、うら若い妻と七輪で飯を焚いて暮している光景のすぐあとには、幼い児と並んで生々しい土饅頭の前にぬかずく淋しい後姿を見出す。
— 寺田寅彦 『厄年と etc.』 青空文庫
結局、私は私の全収入を浪費して、ひとりの人間をも楽しませる事が出来ず、しかも女房が七輪一つ買っても、これはいくらだ、ぜいたくだ、とこごとを言う自分勝手の亭主なのである。
— 太宰治 『父』 青空文庫
母は、父のおっしゃる言葉をちっとも聞こうとなさらず、腕を伸ばして私の傍の七輪のお鍋を、どさんと下におろして、あちちと言って右手の親指と人さし指を唇に押し当て、「おう熱い、やけどしちゃった。
— 太宰治 『千代女』 青空文庫
その側に下女のおすめは、一かかえもあるほどな大きな七輪へ、赫々と炭をおこして、長い鉄串へ幾切もの粕漬の塩鮭を並べて居る、焼けて溶け落ちる塩鮭の油が炭火に焦げて、ぷんぷんと香ばしい匂をたてるのであった。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
障子を透かして、疊凡そ半疊ばかりの細長い七輪に、五つづゝ刺した眞白な串團子を、大福帳が權化した算盤の如くずらりと並べて、眞赤な火を、四角な團扇で、ばた/\ばた、手拍子を拍つて煽ぐ十五六の奴が、イヤ其の嬉しいほど、いけずな體は。
— 泉鏡太郎 『松の葉』 青空文庫
作例 · 標準
秋の夜長、庭に七輪を出して、炭火でじっくりとサンマを焼く時間は至福のひとときだ。
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古い長屋の軒先で、おばあちゃんが七輪でお餅を焼いている香ばしい匂いが漂ってきた。
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キャンプ場で七輪を使って肉を焼くと、ガスコンロとは一味違う本格的なBBQが楽しめる。
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ウィキペディア
七輪(しちりん、七厘)は炭火をおこしたり、煮炊きをしたりするための簡便な土製のこんろ。土製の小型こんろで、ふつう木炭が燃料。江戸時代から一般的に用いられてきた。軽量かつコンパクトで移動が容易。関西ではかんてきともいわれる。形状は円筒形、四角形、長方形が主で、大きさも様々で、用途に応じて多品種生産されている。原料は主に珪藻土で、微細な中空構造を持ち断熱性が高いため保温効果が極めて高く、本体は熱く焼けないため持ち運びに便利である。
出典: 七輪 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0