鍋物
なべもの
名詞
標準
stew
文例 · 用例
毎月八日は、彼の勤め先である安酒場――お銚子一本通しものつき十銭、鍋物十銭の、実に喧騒を極めた――女たちの客を呼び込む声、泥酔した客たちの議論、演説、浪花節、からかひと嬌声、酒のこぼれ流れてゐる長い木の食卓、奥の料理場から、何々上り!
— 武田麟太郎 『日本三文オペラ』 青空文庫
鍋物なぞが出ると、自分は遠慮なく鍋の中へ箸を入れた。
— 上司小劍 『父の婚禮』 青空文庫
土間の客は女連れで、鍋物をつゝきながら酒を呑んでゐた。
— 林芙美子 『朝夕』 青空文庫
あり合せの鍋物を誂えて、手酌でちびりちびり飲みだしたが、いつもの小量にも似ず、いくら飲んでも思うように酔わなかった。
— 森田草平 『四十八人目』 青空文庫
数年前に本郷の大学の真鍋物療科で健康診断をして貰った事があったが、その時血圧は低く脈は柔かで若い者の脈と同じだ、これなら今後三十年の生命は大丈夫だと、串戯交りにいわれた事があり、そしてこの血圧の低い事と脈の柔かい事から推しますと、まず私は脳溢血に罹る事はないように思われます。
— 第二部 混混録 『牧野富太郎自叙伝』 青空文庫
「かき」「とうふ」「しらたき」の鍋物をお作りして召し上がる。
— 太宰治との愛と死のノート 『雨の玉川心中』 青空文庫
『――寒いわえ、何ぞ、温まる物でも』 というので、鍋物が膳代りに囲まれて、数右衛門にとっては、何だか、夢みたいな気色になった。
— 吉川英治 『※かみ浪人』 青空文庫
なべものは一般に冬のものと決まっているところへ、こればかりは夏のものであることも、大方の興を呼ぼう。
— 北大路魯山人 『一癖あるどじょう』 青空文庫
作例 · 標準
山形の名物である芋煮は、秋の訪れを感じさせる代表的な鍋物の一つだ。
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寒い夜には、温かい鍋物を囲んで家族の絆を深めるのが一番の贅沢だ。
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居酒屋のお品書きに並ぶ季節限定の鍋物を見て、どれを頼むか迷ってしまう。
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