宵の明星
よいのみょうじょう
表現名詞
標準
evening star
文例 · 用例
ここで若い靴磨きが変な街路詩人の詩を口ずさみ三等席の頭上あたりの宵の明星を指さして夕刊娘の淡い恋心にささやかな漣を立てる。
— 寺田寅彦 『初冬の日記から』 青空文庫
ちょうどその水の上あたり、宵の明星の色さえ赤い。
— 泉鏡花 『夜叉ヶ池』 青空文庫
何しろ六月から七月へかけて、螢の出る季節になると、自分の村は螢の光で明るい……だから、日が暮れて、新樹の木立の上に、宵の明星が鮮な光で煌き出すのを合圖で、彼方でも、此方でも盛に、螢|來い山吹來い、彼方の水は苦いな、此方の水は甘いな、といふ呼聲が闇の中から、賑に、併し何となく物靜に聞える。
— 三島霜川 『水郷』 青空文庫
目敏く見付けた乳母は、「さあ、やつと宵の明星さまがお手を触れて下さいました」といつて、ふうはりかの女を抱き取つて家へ入り、深々と寝床に沈めて呉れた。
— 岡本かの子 『夏の夜の夢』 青空文庫
」 宵の明星が晃然と蒼い。
— 泉鏡花 『唄立山心中一曲』 青空文庫
「丁度、宵の明星があがつたばかりのところであります。
— 牧野信一 『船の中の鼠』 青空文庫
五 貴族軍の溝鼠征伐の議は一決して、宵の明星があがつたばかりの薄あかりの甲板に勢ぞろひしました。
— 牧野信一 『船の中の鼠』 青空文庫
しかし、この明星をかりに宵の明星とすれば、追々その他の星のあらわれてくる機運となったと見ることも出来る。
— 小酒井不木 『「心理試験」序』 青空文庫
作例 · 標準
空には宵の明星が輝き、ロマンチックな夜だった。
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夕焼けが残る西の空に、宵の明星がひときわ明るく光っていた。
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子供の頃、宵の明星を見つけると、何か良いことがあるような気がしたものだ。
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