複衣
ふくい
名詞
標準
lined garment
文例 · 用例
清潔、整然、金色の光を放ち、ふくいくたる香気が発するくらい。
— 太宰治 『グッド・バイ』 青空文庫
柚子を見つけて一つもぐ、香気ふくいくとして身にしみる、豆腐が欲しいな。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
今日、Nさんに裏の柚子をもいでもらつた、柚味噌をこしらへた、香気ふくいくとして身心さわやかになつた。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
石を拾ふついでに、白粉罎を拾うた、クラブ美の素といふレツテルが貼つてあつた、洗つても洗つてもふくいくとしてにほふ、なまめかしい、なやましいにほひだ、しかし酒の香ほどは好きでない、むろん嫌いではない、しばらくならば(これは印肉入にする)。
— 種田山頭火 『行乞記』 青空文庫
然ニ誠になげくべき事ハながとの国に軍初り、後月より六度の戦に日本|甚利すくなく、あきれはてたる事ハ、其長州でたゝかいたる船を江戸でしふくいたし又長州でたゝかい申候。
— 文久三年六月二十九日 坂本乙女あて 『手紙』 青空文庫
歩きながら、女子美術の生徒のむらさきの袴の色の方が、ふくいくとしていると考える。
— 林芙美子 『新版 放浪記』 青空文庫
いそつゝじの花は頬をよせると、ふくいくとした匂ひをはなつて、姿に似ず何時までも匂ひが浸みて來る。
— ――北海道の旅より―― 『摩周湖紀行』 青空文庫
部落中にふくいくとしたいそつゝじの花が咲いて、淺い枯れたやうな河床から湯が吹きこぼれてゐた。
— ――北海道の旅より―― 『摩周湖紀行』 青空文庫
作例 · 標準
袷(あわせ)とも呼ばれる複衣は、裏地があるため防寒性に優れ、冬の装いに欠かせない。
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時代劇の衣装合わせで、格式高い武家が身に纏う豪華な複衣を間近に見た。
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表地と裏地の色の組み合わせを楽しむのが、伝統的な複衣の醍醐味だ。
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