熟柿
じゅくし
名詞
標準
ripe persimmon
文例 · 用例
裏畑の竹藪の中の小径から我家と往来が出来て、垣の向うから熟柿が覗けばこちらから烏瓜が笑う。
— 寺田寅彦 『森の絵』 青空文庫
やはりその頃であったと思うが、子規が熟柿を写生した絵を虚子が見て「馬の肛門かと思った」と云った。
— 寺田寅彦 『明治三十二年頃』 青空文庫
子規に、その写生画を見せてもらっているうちに熟柿を描いたのがあった。
— 寺田寅彦 『高浜さんと私』 青空文庫
向い側に腰かけた中年の男の熟柿のような顔の真ん中に二つの鼻の孔が妙に大きく正面をにらんでいるのが気になった。
— 寺田寅彦 『猫の穴掘り』 青空文庫
しかも非人同様の姿ながら恐れ気もないその態度と、プンプンする熟柿臭い異臭が、いかにも不快な感じを与えたらしい。
— ――博多名物非人探偵 『狂歌師赤猪口兵衛』 青空文庫
駒鳥はね、丈の高い、籠ん中を下から上へ飛んで、すがって、ひょいと逆に腹を見せて熟柿の落こちるようにぼたりとおりて、餌をつついて、私をばかまいつけない、ちっとも気に懸けてくれようとはしなかった、それでもない。
— 泉鏡花 『化鳥』 青空文庫
」 横なでをしたように、妹の子は口も頬も――熟柿と見えて、だらりと赤い。
— 泉鏡花 『若菜のうち』 青空文庫
君のネエムだよ……」と、醉ひどれ男は熟柿のやうな顏を振り立てながら、ひつつこく話し掛けた。
— 南部修太郎 『霧の夜に』 青空文庫
作例 · 標準
庭の木になった熟柿を、鳥に食べられる前に急いで収穫した。
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祖母はトロトロになった熟柿をスプーンで掬って食べるのが大好きだった。
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秋の深まりとともに、市場には鮮やかなオレンジ色の熟柿が並び始めた。
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