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熟視

じゅくし
名詞動詞-サ変動詞-他動詞
1
標準
staring at
文例 · 用例
寧ろ斯かる場合には、直観が稀薄になるについては一定の時間内に吾人が熟視し得ざる程多量の物をみせられたからでもあらうことに思ひを到して、個人が個人外との関係から意識上では解放される、即ち肚据えて十分に出来ることだけをするやうに心懸けるに如くまい。
中原中也 近頃芸術の不振を論ず 青空文庫
虚から出た四つ這ひの形のままで、前方の怪しい酒宴のさまを熟視し、「氣持よささうに、醉つてゐる。
太宰治 お伽草紙 青空文庫
姉たちがすわるにせまいといえば、身を片寄せてゆずる、彼の母は彼を熟視して、奈々ちゃんは顔構えからしっかりしていますねいという。
伊藤左千夫 奈々子 青空文庫
その時には吾々はもう少し謙遜な心持で自然と人間を熟視し、そうして本気で真面目に落着いて自然と人間から物を教わる気になるであろう。
寺田寅彦 烏瓜の花と蛾 青空文庫
その作品がどれほど自分の嗜好からは厭なと思うものでも、またあまりに生硬と思うものでも、それにかかわらず一種の愉快な心持をもって熟視する事が出来た。
寺田寅彦 津田青楓君の画と南画の芸術的価値 青空文庫
むしろ冷静な観察者となって自然の選択淘汰の手さばきを熟視するほかはないようにも思われるのである。
寺田寅彦 俳句の型式とその進化 青空文庫
心さえ急かねば謀られる訳はないが、他人にして遣られぬ前にというのと、なまじ前に熟視していて、テッキリ同じ物だと思った心の虚というものとの二ツから、金八ほどの者も右左を調べることを忘れて、一盃食わせられたのである。
幸田露伴 骨董 青空文庫
丹泉はしきりに称讃してその鼎をためつすがめつ熟視し、手をもって大さを度ったり、ふところ紙に鼎の紋様を模したりして、こういう奇品に面した眼福を喜び謝したりして帰った。
幸田露伴 骨董 青空文庫
作例 · 標準
探偵は、事件現場に残された微かな足跡をルーペを使って熟視していた。
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美術館で一点の絵画を三十分以上も熟視している老人の姿が印象的だった。
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顕微鏡を通して細胞の動きを熟視しているうちに、いつの間にか外は暗くなっていた。
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