痕跡
こんせき
名詞頻度ランク #13917 · 青空 896 例
標準
trace
文例 · 用例
時には紙を貼り代えたであろうが、記憶に残っているのはいつも煤けており、それに針や線香でつついたいたずらの痕跡を印したものである。
— 寺田寅彦 『追憶の冬夜』 青空文庫
氷河は勿論だが、雪|辷りが山側を磨擦する時は、富士山の剣丸尾熔岩流のように、長い舌の形によって、その舐めた痕跡が残る。
— 小島烏水 『高山の雪』 青空文庫
天は愈よ明るい、氷の海は一層の白を加うると共に、一分の硬味を減じて来た雪になったのである、玉屑累々ともいうべき空に懸れる雪の大路を無形の手で、橇を縦横に掻き廻しはじめたと見え、捏ね返した痕跡が割れ目を生じたころは、雪は一方に堆く盛り上られ、一方では掬われたようにげっそりと凹む。
— 小島烏水 『奥常念岳の絶巓に立つ記』 青空文庫
婀娜っぽい、かろらかな微笑の裏に、真摯な熱い涙のほのかな痕跡を見詰めたときに、はじめて「いき」の真相を把握し得たのである。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
これらの場合にはそのしびれた脚や腕の根元に近いところに着物のひだで圧迫された痕跡が赤く印銘されているのでそこを引っかき摩擦すればしびれはすぐに消散するのである。
— 寺田寅彦 『猫の穴掘り』 青空文庫
物理的科学発展の歴史に溯れば、到る処かくのごとき方則の予想によって原因の分析、すなわち最も便宜なる独立変数の析出に勉めたる痕跡を見出し得べし。
— 寺田寅彦 『自然現象の予報』 青空文庫
そしてその不正義に対する反抗心が彼の性格に何かの痕跡を残さない訳には行かなかったろうと思われる。
— 寺田寅彦 『アインシュタイン』 青空文庫
ただし少数の特別の語の読み方として今までも痕跡を存している(「新発意」「闕腋」など)。
— 橋本進吉 『国語音韻の変遷』 青空文庫
作例 · 標準
犯人が残した唯一の痕跡は、現場に残された足跡だけだった。
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古い城壁には、長い歴史の痕跡が色濃く残っている。
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「ここに何かがあった痕跡がある」と考古学者はつぶやいた。
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