悪縁
あくえん
名詞名詞-の形容詞
標準
evil destiny or connection
文例 · 用例
そうしてまた、流転、無常を差別相の形式と見、空無、涅槃を平等相の原理とする仏教の世界観、悪縁にむかって諦めを説き、運命に対して静観を教える宗教的人生観が背景をなして、「いき」のうちのこの契機を強調しかつ純化していることは疑いない。
— 九鬼周造 『「いき」の構造』 青空文庫
決して私は明さんに、在所を知らせず隠れていたのに、つい膝許の稚いものが、粗相で手毬を流したのが悪縁となりました。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
――処でな、あの晩四つ手網の番をしたが悪縁ぢや、御身が言ふ通り色恋の捌を頼まれた事と思へ。
— 泉鏡太郎 『神鑿』 青空文庫
悪縁のふかき恐怖もすすり泣けり。
— 北原白秋 『東京景物詩及其他』 青空文庫
何でも徳川様|瓦解の時分に、父様の方は上野へ入んなすって、お前、お嬢さんが可哀そうにお邸の前へ茣蓙を敷いて、蒔絵の重箱だの、お雛様だの、錦絵だのを売ってござった、そこへ通りかかって両方で見初めたという悪縁じゃ。
— 泉鏡花 『註文帳』 青空文庫
俺もかう云ふ事に成らうとは思はなかつたが、成程、悪縁と云ふ者は為方の無いものだ」 女は尚窃に泣きゐる面を背けたるまま、「貴方は直に悪縁だ、悪縁だと言ふけれど、悪縁ならどうするんです!
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
」「悪縁だからかうなつたのぢやないか」「かう成つたのがどうしたんですよ!
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
ねえ、貴方は他の顔さへ見りや、直に悪縁だと云ふのが癖ですよ。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
作例 · 標準
悪縁の例文1
悪縁の例文2
悪縁の例文3
悪縁の例文4