春霞
はるがすみ
名詞
標準
springtime haze
文例 · 用例
始めよりかれが恋の春霞たなびく野|辺のごとかるべしとは期せざりしもまたかくまでに物さびしく物悲しきありさまになりゆくべしとは青年今さらのように感じたり。
— 国木田独歩 『わかれ』 青空文庫
流れの末を打ち見やれば春霞たなびきたり。
— 国木田独歩 『わかれ』 青空文庫
ともすれば懶い駘蕩たる春霞の中にあって、十万七千の包囲軍はひしひしと犇き合って小田原城に迫って居る。
— 菊池寛 『小田原陣』 青空文庫
京都特有の春霞のなかに、キラキラと澄んだ光で輝いている四条通の灯が山の上から眺められた。
— 織田作之助 『青春の逆説』 青空文庫
白く煙つた碧い海原には、もはや春霞がたつて、観音崎の出鼻から現れたアメリカ航路の船が、その乗員たちも一勢に空の戦ひを見あげてゐるだらう、とおもはれるやうに鈍い船あしに見えた。
— 牧野信一 『岬の春霞』 青空文庫
わたしは、春霞を衝いて沖合ひを走つてゆく艦隊の出動の光景を見損つたのを残念がつてゐた。
— 牧野信一 『岬の春霞』 青空文庫
円タクにでも乗つて、あてどもなく海岸通りなどをまはり、春霞みを衝いて出てゆく船を眺め、ゆつくりと支那料理屋にでも休んでから、夜はまたひとりでオデオン座の特等席になりとをさまつて、居眠りでもして来ようといふやうな、何とわたしには全く珍しい「好日」には違ひなかつたのである。
— 牧野信一 『好日の記』 青空文庫
魚容は気抜けの余りくらくら眩暈して、それでも尚、この場所から立ち去る事が出来ず、廟の廊下に腰をおろして、春霞に煙る湖面を眺めてただやたらに溜息をつき、「ええ、二度も続けて落第して、何の面目があっておめおめ故郷に帰られよう。
— ――新曲聊斎志異―― 『竹青』 青空文庫
作例 · 標準
朝焼けの中、遠くの山々に春霞がかかっているのが見えた。
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春霞の立ち込める湖面が、幻想的な風景を作り出している。
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俳句では、春霞は春の季語としてよく用いられる。
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ウィキペディア
春霞(はるがすみ)は、春の季節に立つかすみである。冬から春になると、遠くの景色が見えにくくなること。春のかすみ。
出典: 春霞 — ウィキペディア / CC BY-SA 4.0