怡然
いぜん
副詞-と形容詞-たる
標準
delightful
文例 · 用例
然し茶に招かれて席に参した以上は亭主が自ら点じて薦める茶を飲まぬという其様な大きな無礼無作法は有るものでないから、一団の和気を面に湛えて怡然として之を受け、茶味以外の味を細心に味いながら、然も御服合結構の挨拶の常套の讃辞まで呈して飲んで終った。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
それとも、君は怡然として楽んでをるか。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
No thankじや、赤貧洗ふが如く窮してをつても、心は怡然として楽んでをるのじや」「それだから猶、どう為てさう窮して、それを又楽んでゐるのか、それには何か事情が有るのだらう、から、それを聞せてくれ給へと言ふのだ」 荒尾は故らに哈々として笑へり。
— 尾崎紅葉 『金色夜叉』 青空文庫
(6)怡然自樂ノ怡モ樂シムコトナレド、同ジ譯語ヲ用フル事能ハザレバ、少々區別シ、「怡」ノ尤近キハ調和ノ和或ハ調ナレドモ、コレヲ如何ト思ヒ、心やすらげに見ゆト譯シタリ。
— 狩野直喜 『桃花源記序』 青空文庫
知れる目よりはこの大山巌々として物に動ぜぬ大器量の将軍をば、まさかの時の鉄壁とたのみて、その二十二貫小山のごとき体格と常に怡然たる神色とは洶々たる三軍の心をも安からしむべし。
— 徳冨蘆花 『不如帰 小説』 青空文庫
斯く思ひつゝ吾は怡然として歩を喬岳の巓に運びぬ。
— 木暮理太郎 『木曾駒と甲斐駒』 青空文庫
この熱いぜんざいが妙に涼しいものであった。
— 寺田寅彦 『涼味数題』 青空文庫
」 それからは、影は、いぜんの主人を、「おまえ」と呼びました。
— SKYGGEN 『影』 青空文庫
作例 · 標準
彼は都会の喧騒を離れ、山中の小庵で怡然として自ら足りる生活を送っている。
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老人は孫たちが庭を駆け回る様子を、怡然とした面持ちで静かに眺めていた。
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職を辞した後の彼は、世評を気にすることもなく、怡然として古書の整理に没頭している。
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「これでようやく責任を果たせた」と、彼は怡然として満足げな笑みを浮かべた。
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