吸引力
きゅういんりょく
名詞
標準
suction
文例 · 用例
下※の大きな、顴骨の高い、耳と額との勝れて小さい、譬えて見れば、古道具屋の店頭の様な感じのする、調和の外ずれた面構えであるが、それが不思議にも一種の吸引力を持って居る。
— 有島武郎 『かんかん虫』 青空文庫
彼れは今迄それを心の眼でぢつと眺めて、云はば心の中にある五官とも名づくべきもので、しみ/″\と味はつて其の中に甘い悲しみと燃ゆる喜びとを感じて居つたのであるが、手を反へした樣に此頃其の感じが薄らいで、彼れは肉と靈との間の痛切な吸引力に動かされずには居られなくなつた。
— 有島武郎 『半日』 青空文庫
相手がドイツ人かあるいは勘定の細かい地方の商売人だったらどうかわからないが、少なくも東京の学生のような観客層に対してはこの五十銭均一のほうが経済観念を超越した吸引力をもっていそうな気がする。
— 寺田寅彦 『柿の種』 青空文庫
此の如き旋渦を成す水の、驚くべき吸引力を有するは、器に水を盛りて、小さき旋渦を生ぜしめて試験するときは、明白なり。
— A DESCENT INTO THE MAELSTROM 『うづしほ』 青空文庫
しかしてその渦巻すなわち凹みは広くかつ深くして、もし船舶にしてその吸引力圏内に入るときは、かならず吸いこまれ海底に運び去られて岩礁に打ちくだかれ、水力衰うるに及び、その破片ふたたび水面に投げ出されるなり。
— A DESCENT INTO THE MAELSTROM 『メールストロムの旋渦』 青空文庫
というのは、現存の最大の戦闘艦でさえ、この恐ろしい吸引力のおよぶ範囲内に来れば、一片の羽毛が台風に吹きまくられるようになんの抵抗もできずに、たちまちその姿をなくしてしまうことは、実にわかりきったことに思われたからである。
— A DESCENT INTO THE MAELSTROM 『メールストロムの旋渦』 青空文庫
磁石のような陸地の吸引力からようよう自由になる事のできた船は、また揺れ動く波の山と戦わねばならぬ。
— 有島武郎 『生まれいずる悩み』 青空文庫
自分の呼吸の一回の吸引力は果してどの位ひの分量があるか知ら――といふやうなことを試みてゞもゐるかのやうな、然もその興味に駆られた心が起つた。
— 牧野信一 『痴想』 青空文庫
作例 · 標準
この最新式の掃除機は、カーペットの奥に入り込んだ微細なハウスダストまで吸い取る強力な吸引力がある。
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「うわっ、この磁石の吸引力、指が挟まれそうなくらい強いな!」と子供たちが理科の実験で声を上げた。
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彼女が執筆するミステリー小説には、読者を一気に物語の世界へ引き込む不思議な吸引力が備わっている。
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キッチンの換気扇の吸引力が目に見えて弱くなってきたので、重曹を使ってファンを掃除することにした。
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