禁漁
きんりょう異読 きんぎょ
名詞
標準
prohibition of fishing
文例 · 用例
禁漁区の魚のように新東京のバラック街をさまようている。
— 夢野久作 『東京人の堕落時代』 青空文庫
ぽかぽか暖くなると蠣は禁漁になり、蠣船は貸端艇屋や、氷屋にかはつてしまふので、それを機會におかみさんは、おつさんと堅い約束をして、お兼を働かせる事になつたのである。
— 水上滝太郎 『大阪の宿』 青空文庫
二三日前から禁漁となつた湖は、黄、紅白、濃淡の緑と、とり/″\に彩られた山の姿を逆さに、鮮かに映してゐた。
— 葛西善藏 『湖畔手記』 青空文庫
二 私の少年の頃には、鮎釣りに禁漁期というものがなかった。
— 佐藤垢石 『利根の尺鮎』 青空文庫
倉田組の持船は二十四隻ありまして、十五トンから四十トンぐらいまでゞすが、カツオ船や棒受け網やキンチャク網や色々とあって、禁漁水域へ密漁にも出かけているように取沙汰されております」「それでは久七をつれてきたまえ」 久七は体格の立派な、見るからに力の強そうな若者であった。
— 坂口安吾 『復員殺人事件』 青空文庫
禁漁区へ釣糸をたれたやうに、小気味よくあらはれてきた。
— ――夢と知性―― 『吹雪物語』 青空文庫
禁漁中の二月から、釣り人が入り込んで、まだ産卵後の、体力の回復しない黒く錆びた肌の山女魚を五十、百と毎日釣ってきた人もある。
— 佐藤垢石 『雪代山女魚』 青空文庫
まだ禁漁中にあの近辺のひとが酒匂川のあゆをよく盗み取りするが、わたしはそれをもらうことがあって、たびたび食ったことがある。
— 北大路魯山人 『若鮎について』 青空文庫