手の腹
てのはら
表現名詞
標準
palm (of the hand)
文例 · 用例
話といふやうなものはてんでないで、話をしてゐても、その話が相手の気に触りはしないかといふことが念頭に浮ぶや、実に手の腹を返すが如く話頭を転ずるのだが、それでまた相手が妙にも思はぬといふ摩訶不思議な有様である。
— 中原中也 『撫でられた象』 青空文庫
そして酷く相手の腹をたてました。
— 山村暮鳥 『ちるちる・みちる』 青空文庫
尤も聴手はいつも母だけであり、その他の者が一人でも同坐すると私は決してハニカミや遠慮でもないのに、何故か言葉が出なかつたから話術家の資格は無かつたものの、一度び母の前に据ると急に私は漫談家のやうに爽やかな弁士となつて、思はず聴手の腹をよぢらせたり、美しい叙景の展開に恍惚の夢を誘つた。
— 牧野信一 『風流旅行』 青空文庫
殊には熊手の腹に阿多福のシンボル、そもそも誰が思いついての売りはじめやら、勿体らしく店々の入口、さては神棚の一部に飾られたこれら江戸ッ児の象徴を見る時は、情ないよりは寧ろその稚気を愛すべきだ。
— 柴田流星 『残されたる江戸』 青空文庫
私は胸を熱くして紐で帯に結びつけた蝦蟇口を懐から取出し、幾箇かの銀貨を父の手の腹にのせた。
— 嘉村礒多 『途上』 青空文庫
「まるで犯人はテルみたいに、たった一矢で、露き出しよりも酷い青酸を、相手の腹の中へ打ち込んでいるだろう。
— 小栗虫太郎 『黒死館殺人事件』 青空文庫
相手の腹を狙うのだ。
— 国枝史郎 『戯作者』 青空文庫
相手の腹を探り合うかのように、二人はしばらく黙っていた。
— 国枝史郎 『血煙天明陣』 青空文庫
作例 · 標準
手の腹を使って、生地を力強くこねるのがパン作りのコツだ。
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固まった筋肉を、手の腹で円を描くように優しくマッサージする。
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瓶の蓋が開かない時は、手の腹を押し当てるようにして回すといい。
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