得意先
とくいさき
名詞
標準
(regular) customer
文例 · 用例
七之助は魚商で、盤台をかついで毎日方々の得意先を売りあるいていたが、今年|二十歳になる若いものが見得も振りもかまわずに真っ黒になって稼いでいるので、棒手振りの小商いながらもひどい不自由をすることもなくて、母子ふたりが水いらずで仲よく暮していた。
— 猫騒動 『半七捕物帳』 青空文庫
乳母が戻って来ると伊吉が得意先でも廻る恰好で出て来る。
— 山中貞雄 『右門捕物帖 三十番手柄 帯解け仏法』 青空文庫
彼は得意先を丸めこもうとする呉服屋のような意気で、ぴょこぴょこと頭を下げた。
— 有島武郎 『星座』 青空文庫
「……気を附けないと……何でも髪結さんが、得意先の女の髪を一条ずつ取って来て、内証で人のと人のと結び合わせて蔵っておいて御覧なさい。
— 泉鏡花 『陽炎座』 青空文庫
壜を集めに来るからには、いわば坂田にとってそこは得意先なのだ。
— 織田作之助 『雪の夜』 青空文庫
惣助の得意先は、皆、渠を称して恩田百姓と呼ぶ。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
然し私は話の次手にお得意先の二、三の作家へ、ただまんぜんと、太宰さんのが一ばん評判がよかったのだそうですね位のことはいうかも分りません。
— 太宰治 『虚構の春』 青空文庫
それだけならいいんですが、地方の出張所にいる連中、夫婦ものばかりですし、小姑根性というのか、蔭口、皮肉、殊に自分のお得意先をとられたくないようで、雑用ばかりさせるし、悪口ついでにうんとならべると、女の腐ったような、本社の御機嫌とりに忙しい、くびの心配ばかりしている。
— 太宰治 『虚構の春』 青空文庫
作例 · 標準
営業担当者は得意先への訪問を日課としている。
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長年の得意先からの信頼は、会社の財産だ。
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新しい得意先を開拓するため、彼は日々奔走している。
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