煩う
わずらう
動詞-五段-ウ行動詞-他動詞動詞-自動詞
標準
to worry (about)
文例 · 用例
父親の医者というのは、頬骨のとがった髯の生えた、見得坊で傲慢、その癖でもじゃ、もちろん田舎には刈入の時よく稲の穂が目に入ると、それから煩う、脂目、赤目、流行目が多いから、先生眼病の方は少し遣ったが、内科と来てはからッぺた。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
トイレットの中か、または横丁の電柱のかげで酔っていながら、残金を一枚二枚と数えて、溜息ついて、思い煩うな空飛ぶ鳥を見よ、なんて力無く呟いてさ、いじらしいものだよ。
— 太宰治 『渡り鳥』 青空文庫
気立ての優しい年若な甚三の嫁が、姑の苛責のために、身も細るばかり、思い煩うのを見兼ねて、ひそかに連れて、甚三が夜のうちに逐電したと云う噂さが聞え出して笛の音は一時、ばったりと絶えた。
— 岡本かの子 『かやの生立』 青空文庫
何の怨みも無いものが、煩う人の見舞に来たのに、いかに分らずやの叔母だと云って、まさかそうした事ではあるまい。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
――煩うてな……」 もの言もやや打解けて、おくれ毛を撫でながら、「ほっといてお通りなさいますと、ひとりでに離れます。
— 泉鏡花 『小春の狐』 青空文庫
)※一日逢わねば、千日の思いにわたしゃ煩うて、針や薬のしるしさえ、泣の涙に紙濡らし、枕を結ぶ夢さめて、いとど思いのますかがみ。
— 泉鏡花 『湯島の境内』 青空文庫
途中、何とも希有な通りものでござりまして、あの蛍がまたむらむらと、蠅がなぶるように御病人の寝姿に集りますと、おなじ煩うても、美しい人の心かして、夢中で、こう小児のように、手で取っちゃ見さしっけ。
— 泉鏡花 『草迷宮』 青空文庫
思い煩うな、空飛ぶ鳥を見よ、播かず、刈らず、蔵に収めず、なんてのは素晴らしい自由思想じゃないか。
— 太宰治 『十五年間』 青空文庫
標準
to have trouble doing ...