菊花
きっか異読 きくか
名詞
標準
chrysanthemum flower
文例 · 用例
中の茶屋へ着くと、松虫草の紫は、見る影もなく褪せているが、鳥冑草は濃紫に咲いている、そして金屏風を背後にした菊花のように、この有毒植物の、刺戟強い濃紫は、焼砂の大壁を背景にして、荒廃の中に、一点の情火を、執念くも亡ぼさずにいる。
— 小島烏水 『雪中富士登山記』 青空文庫
また半ば満たした金だらいの中央にコップの水を注入する時に水面に菊花状の隆起を生じる事がある。
— 寺田寅彦 『日常身辺の物理的諸問題』 青空文庫
今朝こそわれは早く起き、まつたく一年ぶりで學生服に腕をとほし、菊花の御紋章かがやく高い大きい鐵の門をくぐつた。
— 太宰治 『逆行』 青空文庫
今朝こそわれは早く起き、まったく一年ぶりで学生服に腕をとおし、菊花の御紋章かがやく高い大きい鉄の門をくぐった。
— 太宰治 『逆行』 青空文庫
古びた、厚み五分、二寸四方位の四角い上等な象牙で、表面には精緻な菊花が一面に彫り出されてあって、しかもその花のひとつひとつが何れも素晴しいルビイの芯を有っているのです。
— 渡辺温 『象牙の牌』 青空文庫
フム……成る程……「スペエドのジャック」と、象牙の牌……菊の花の浮彫があって……象牙菊花倶楽部と云う……フム、フム……』 西村はこう口の中でぶつぶつつぶやきながら、憐れむ様な眼でじいっと清水を見据えた。
— 渡辺温 『象牙の牌』 青空文庫
『象牙菊花倶楽部※……』清水は顔色を変えてとび上がった。
— 渡辺温 『象牙の牌』 青空文庫
君は象牙の牌は長崎で売ってしまって、今は持っていらっしゃらないのでしょう――それに気のつかない象牙菊花倶楽部の連中ではなかろうに――それに君は胡に欺されて貰ったと仰言る――しかもその支那人はすでに殺されてしまった……云わば今の君には全く何の係り合いがないも同然だ。
— 渡辺温 『象牙の牌』 青空文庫
作例 · 標準
庭には色とりどりの菊花が咲き誇り、秋の訪れを告げていた。
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彼女は亡き祖母が好きだったという白い菊花を供えた。
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茶室の床の間には、一輪の菊花が静かに飾られていた。
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