義理を立てる
ぎりをたてる
表現動詞-一段
標準
to be faithful
文例 · 用例
大学教授連盟とかいう自分にはあまり耳慣れない名前の団体から、このような芝居は教育界の神聖を汚すものだと言って厳重な抗議があったので、それに義理を立てるためにこのアーメンを付加したのだといううわさがある。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
いずれ、深い事情があるだろう』と、きいたところが、その女郎め『わしのうちは、おとうさんが百姓で貧乏だったところへ、不作が三年続いて、地主に掟米が納められずに、苦しみ抜いたあげく、ついに私が身売りをして、地主に義理を立てることになったの』といったんだ。
— 葉山嘉樹 『海に生くる人々』 青空文庫
それで、内儀さんへ義理を立てるような気もちから四十九日がすむまでは袋町へ足を向けない覚悟でいる。
— 矢田津世子 『神楽坂』 青空文庫
妾は、そんな義理など、少しも考えていないのに――そんなことの為に、夫が妾へ、義理を立てる?
— 直木三十五 『寛永武道鑑』 青空文庫
一度に双方の旦那に義理を立てる訳に行かなかったからかも知れませんが。
— 夏目漱石 『硝子戸の中』 青空文庫
「そこでお前様には二人の男へ、双方義理を立てるために、入水などなされようと覚悟されましたので?
— 国枝史郎 『真間の手古奈』 青空文庫
そして仏さまにもお別れをさせ、葬儀にも立ち会わせる、それがつまりは、仏さまへの供養ともなり、御近所の方々への義理を立てることにもなるのです。
— 豊島与志雄 『絶縁体』 青空文庫
其時はピンもさながらデカに義理を立てるかの如く、横合からワン/\吠えて走って行く。
— 徳冨健次郎 『みみずのたはこと』 青空文庫