話し声
はなしごえ
名詞頻度ランク #34606 · 青空 549 例
標準
speaking voice
文例 · 用例
奥の間でお通夜してくれる人たちの話し声が細々と漏れる。
— 伊藤左千夫 『奈々子』 青空文庫
話し声を聞いて相手が誰だかという事さえ知れたそうである。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
私は例のごとく頂上に登って、やや西に傾いた日影の遠村近郊をあかく染めているのを見ながら、持って来た書物を読んでいますと、突然人の話し声が聞こえましたから石垣の端に出て下を見おろしました。
— 国木田独歩 『春の鳥』 青空文庫
夜ふけるまで隣の室で低い話し声が聞こえていました。
— 寺田寅彦 『先生への通信』 青空文庫
その話し声の中に突然「ナンジャモンジャ」という一語だけがハッキリ聞きとれた。
— 寺田寅彦 『藤棚の陰から』 青空文庫
自分は耳がよくないせいか、それとも頭がぼんやりしているせいか、平生はこうした場所で隣席の人たちの話している声はよく聞こえても、話している事がらの内容はちっともわからないのであるが、その日隣席で話している中老人二人の話し声の中でただ一語「イゴッソー」という言葉が実にはっきり聞きとれたのでびっくりした。
— 寺田寅彦 『自由画稿』 青空文庫
それは春先する、おもしろそうな、笑うようなさざめきでもなく、夏のゆるやかなそよぎでもなく、永たらしい話し声でもなく、また末の秋のおどおどした、うそさぶそうなお饒舌りでもなかったが、ただようやく聞取れるか聞取れぬほどのしめやかな私語の声であった。
— 国木田独歩 『武蔵野』 青空文庫
橋の上で話し声が聞こえるようだから、もしかと思って来ると先生一人、欄干に倚っかかッて空を仰いでいた。
— 国木田独歩 『郊外』 青空文庫