蛮地
ばんち
名詞
標準
savage land
文例 · 用例
」 酒と歌と踊のなかからでてきた男女が熱い匂のする魅力にひかれて、洪水のようにながれる車体に拾われると、夥しい巡査がいま迄の蛮地のエロチシズムの掃除を始めて、街は伝統とカルチュアが支配する帝王色に塗りかえられた。
— 吉行エイスケ 『女百貨店』 青空文庫
蛮地では人煙が稀薄であり、聚落の上に煙の立つのは民の竈の賑わえる表徴である。
— 寺田寅彦 『喫煙四十年』 青空文庫
反対にそうした蛮地に住んでいる土人は、近代文明の不思議な機械や、魔術のような大都会や、玻璃宮の窓に映る不夜城の美観を眺めて、この上もなく詩的なものに思うであろう。
— 萩原朔太郎 『詩の原理』 青空文庫
アメリカは、ほとんど沙漠の中の蛮地のように遠く思え、欧洲はすぐ神戸の先に在るように親しげな話し振りをかの女はした。
— 岡本かの子 『母子叙情』 青空文庫
」 太田恭三郎はすすめたが、ダバオはモロ族やバゴボ族以外に住む者のないおそろしい蛮地で、おまけにマラリヤのたちの悪さはベンゲット以上で、医者もいない。
— 織田作之助 『わが町』 青空文庫
古文明国や、今の蛮地で馬を人に殉葬したればとて怪しむに足りぬ。
— 馬に関する民俗と伝説 『十二支考』 青空文庫
「彼等幾多の犠牲的青年によって、遂に成功するに至った延々何百|哩の鉄道は、長蛇の如く野を走り、山を貫き、昨日までの蛮地は、かくして国富と変ったのであります」 重役の娘と、何時の間にか紳士のようになった工夫が相抱くところで幕だった。
— 小林多喜二 『蟹工船』 青空文庫
――それにしても私は、斯んな奇怪な光景を眼のあたりに見れば見るほど、見知らぬ蛮地の夢のやうでならなかつた。
— 牧野信一 『鬼涙村』 青空文庫
作例 · 標準
探検家たちは、まだ誰も足を踏み入れたことのない蛮地へと向かった。
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この地域はかつて蛮地と呼ばれ、文明とは隔絶されていた。
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彼は蛮地で生き抜くための知恵と技術を身につけていた。
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