辛苦
しんく
名詞動詞-サ変動詞-自動詞
標準
hardship
文例 · 用例
小そのが永年の辛苦で一通りの財産も出来、座敷の勤めも自由な選択が許されるようになった十年ほど前から、何となく健康で常識的な生活を望むようになった。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
今日我帝都の夜を飾るネオンサインを見る時に、吾々はレーリー卿の昔の辛苦を偲ぶ義務を感ずるであろう。
— 寺田寅彦 『レーリー卿(Lord Rayleigh)』 青空文庫
こういう老婆を見ると、いかにも弱々しく見える一方では、また永い間世の中のあらゆる辛苦に錬え上げられて、自分などがとても脚下にもよりつかれないほど強い健気なところがあるように思われて来る。
— 寺田寅彦 『雑記(1)』 青空文庫
我等は、我が同胞が、粒粒辛苦の余に開拓したる経済的基礎を擁護し、発展し、確保することは、当然と云わねばならぬ。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
いわゆる『粒々辛苦の末に開拓した経済的基礎』が、水泡に帰するだろう。
— 黒島傳治 『武装せる市街』 青空文庫
」二十五「ただ一筋でも巌を越して男滝に縋りつこうとする形、それでも中を隔てられて末までは雫も通わぬので、揉まれ、揺られて具さに辛苦を嘗めるという風情、この方は姿も窶れ容も細って、流るる音さえ別様に、泣くか、怨むかとも思われるが、あわれにも優しい女滝じゃ。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
また、親が多年の辛苦でたくわえた貯金を赤いむすこや娘が運動資金に持ち出したとすれば、その場合のさるは子供でかにはおやじである。
— 寺田寅彦 『さるかに合戦と桃太郎』 青空文庫
とにかく、これだけの艱難辛苦によって一等三角網が完成される。
— 寺田寅彦 『地図をながめて』 青空文庫
作例 · 標準
彼は事業を成功させるまでに多くの辛苦を経験した。
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若い頃の辛苦が、今の彼の人間性を形作った。
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どんな辛苦も乗り越えてみせる、と彼は決意を新たにした。
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