空事
そらごと
名詞
標準
fake
文例 · 用例
二階の表側の一室は、物置部屋に代った空事務室の上だから、私の部屋からは知れないようなものの、少くとも河に面した方の二階の今一つの空部屋は私が半日ずつ住むこの部屋のすぐ頭の上だから、いかに床の層が厚くても、普通に人が住むならその気配いは何とか判りそうなものだ。
— 岡本かの子 『河明り』 青空文庫
小説は絵空事と昔からきまっている。
— 太宰治 『花吹雪』 青空文庫
しかし往来なかで人殺しをした以上、そのままに済ませることは出来ませんから、ずうずうしく度胸を据えて、自分の方から辻番へ名乗って出て、真実空事取りまぜて、かたき討ちの講釈をならべ立てた次第です。
— 青山の仇討 『半七捕物帳』 青空文庫
銀杏の根本で繙いた、不思議な書物の中にある、 妾の女王の絵姿は、絵空事ではなかったか。
— 夢野久作 『白髪小僧』 青空文庫
さうは思つても私にとつては極めて些末な空事であるのにも関はらず爪弾きでもするかの笑ひなどを浴せられた私は肚を立てずには居られませんでした。
— 牧野信一 『早春のひところ』 青空文庫
今日も防空事務所へ、四時から五時まで勤務。
— 種田山頭火 『其中日記』 青空文庫
戀に望を失ひて浮世を捨てし男女の事、昔の物語に見し時は世に痛はしき事に覺えて、草色の袂に露の哀れを置きし事ありしが、猶ほ現ならぬ空事とのみ思ひきや、今や眼前かゝる悲しみに遇はんとは。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫
父祖十代の御恩を集めて此君一人に報し參らせばやと、風の旦、雪の夕、蛭卷のつかの間も忘るゝ隙もなかりしが、思ひもかけぬ世の波風に、身は嵯峨の奧に吹き寄せられて、二十年來の志も皆|空事となりにける。
— 高山樗牛 『瀧口入道』 青空文庫
作例 · 標準
その話は、どうせ空事だろうと皆思っていた。
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空事だとわかっていても、夢を見たい気持ちもある。
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彼の成功は空事ではなく、努力の賜物だ。
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