隣近所
となりきんじょ
名詞
標準
neighbors
文例 · 用例
「隣近所にお化粧のアラを拾うやつもなくてさばさばしたろう」 これが唯一の、娘も共に零落させた父の詫びの表明でもあり、心やりの言葉でもあった。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
」 じいさんはそんなことを云うおしかにかまわず、篩いや、中古の鍬まで世話になった隣近所や、親戚にやってしまった。
— 黒島傳治 『老夫婦』 青空文庫
」とばあさんの家は、隣近所から悪く云われた。
— 黒島伝治 『「紋」』 青空文庫
隣近所でおろす槌の響は、狭い空洞の中に籠り切って、丁度鳴りはためいて居る大鐘に頭を突っ込んだ通りだ。
— 有島武郎 『かんかん虫』 青空文庫
あれだから母親は本当にしないのだと、隣近所では切歯をしてもどかしがった。
— 泉鏡花 『黒百合』 青空文庫
尤も隣近所はござらぬ。
— 泉鏡花 『春昼』 青空文庫
家にも二人まで下男がゐたし、隣近所の助勢も多いのだから、父は普通なら囲炉裏の横座に坐つてゐて可いのだけれど、「俺は稼ぐのが何よりの楽だ。
— 石川啄木 『刑余の叔父』 青空文庫
それも隣近所に気付かれないように息を殺しての騒ぎだった。
— 岡本かの子 『勝ずば』 青空文庫