渡唐
ととう
名詞動詞-サ変
標準
going to China
文例 · 用例
廿四日、癸卯、晴、将軍家先生の御住所医王山を拝し給はんが為、渡唐せしめ給ふ可きの由、思食し立つに依りて、唐船を修造す可きの由、宋人和卿に仰す、又扈従の人六十余輩を定めらる、朝光之を奉行す、相州、奥州頻りに以て之を諫め申さると雖も、御許容に能はず、造船の沙汰に及ぶと云々。
— 太宰治 『右大臣実朝』 青空文庫
子之助は単羽織と袷とを遊所に持て来させて著更え、脱ぎ棄てた古渡唐桟の袷羽織、糸織の綿入、琉球紬の下著、縮緬の胴著等を籤引で幇間芸妓に与えた。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
古渡唐桟の羽織を揃に為立てさせて、一同に※えたのもこの頃である。
— 森鴎外 『細木香以』 青空文庫
能登の雲津村数千軒の津なりしに、猩々上陸遊行するを殺した報いの津浪で全滅したとか(『若狭郡県志』二、『能登名跡志』坤巻)、その近村とどの宮は海よりトド上る故、トド浜とて除きあり、渡唐の言い謬りかとある。
— 猴に関する伝説 『十二支考』 青空文庫
「餓鬼聖霊会を論ずる事」の如き、「寺僧病人問答の事」の如き、或は又「仏者と儒者|渡唐天神を論ずる事」の如き、論理の筆を弄したるものは如何に贔屓眼に見るにせよ、概ね床屋の親方の人生観を講釈すると五十歩百歩の間にあるが如し。
— 芥川龍之介 『案頭の書』 青空文庫
それがいつとなく融けて来て、人柄が自ずと柔らかになったと思うと、彼はよく古渡唐桟の着物に角帯などを締めて、夕方から宅を外にし始めた。
— 夏目漱石 『硝子戸の中』 青空文庫
かくして聖徳太子は異國の佛を信じ儒を尚ぶと云ふ譯で甚だ香ばしからぬ名稱を奉られ、最澄空海の如きは態※渡唐したあげく、佛教の糟粕を嘗むるだけの事以外に何んにもないとあつて、鸚鵡扱ひにされてゐる。
— 狩野亨吉 『安藤昌益』 青空文庫
古渡唐桟の大財布に、出羽様のお作料の三十両とお艶の身売り金を預かったのとをいっしょに入れて、ズッシリと紐で首からさげていた、その財布が盗まれているのだ。
— 乾雲坤竜の巻 『丹下左膳』 青空文庫