漠然
ばくぜん
形容詞-たる副詞-と
標準
vague
文例 · 用例
扨、現代が芸術にとつて、好都合な時代でないといふことは、漠然と乍ら、既に誰人の胸にも抱懐されてゐる所である。
— 中原中也 『詩と現代』 青空文庫
ずつと前から、私がこの人に對して抱いてゐた、或る理由のない漠然たる愛慕の感は、實に彼の人物が有するこの本質點に存してゐたのだ。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
けれども私の信ずる所によれば、彼の自殺における「漠然たる不安」の一つは、近く來らんとする彼自身の心境的革命にまで、名状しがたき不安の困憊を感じたのである。
— 萩原朔太郎 『芥川龍之介の死』 青空文庫
無いといふ者があるとすれば、それは無いと感ずるのではなく、無いと感ずると、余りに漠然知覚するので、無いといふ表現を採るのである。
— 中原中也 『我が詩観』 青空文庫
詩の各句各節はまことに興味深いそれを聯結する力は、漠然たる類型如きものである。
— 中原中也 『ヂェラルド・ド・ネルヴァル』 青空文庫
「天の一方に」は、「天一方望美人」というような漢詩から、解釈の聯想を引き出して来る人があるけれども、むしろ漠然たる心象の幻覚として、天の一方に何物かの幻像が実在するという風に解するのが、句の構想を大きくする見方であろう。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
したがって「百姓」という言葉は、実景の人物を限定しないで、一般に広く、単に漠然たる「人」即ち「人間一般」というほどの、無限定の意味でぼんやりと解すべきである。
— 萩原朔太郎 『郷愁の詩人 与謝蕪村』 青空文庫
あの頃自分は愛読していた書物などの影響から、人間は別になんにもしなくても、平和に綺麗に一生を過せばそれでよいと云ったような考えが漠然と出来ていたので、病気で試験を休もうが、落第しようが、そんな事は一向心配しなかった。
— 寺田寅彦 『枯菊の影』 青空文庫
作例 · 標準
彼の話は漠然としていて、結局何が言いたいのか分からなかった。
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未来への漠然とした不安を感じながら、日々を過ごしている。
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漠然と「何か楽しいことがしたい」と考えている。
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