行火
あんか
名詞
標準
bed warmer
文例 · 用例
この女には何処か冷たい所があつたせゐか、暖かい気分を持つた人を、行火でも親しむやうに親しむらしく見えた。
— 有島武郎 『お末の死』 青空文庫
とその隣が古本屋で、行火の上へ、髯の伸びた痩せた頤を乗せて、平たく蹲った病人らしい陰気な男が、釣込まれたやら、「ふふふ、」 と寂しく笑う。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
火鉢も無ければ、行火もなしに、霜の素膚は堪えられまい。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
……」を機会に、行火の箱火鉢の蒲団の下へ、潜込ましたと早合点の膝小僧が、すぽりと気が抜けて、二ツ、ちょこなんと揃って、灯に照れたからである。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
突然、年増の行火の中へ、諸膝を突込んで、けろりとして、娑婆を見物、という澄ました顔付で、当っている。
— 泉鏡花 『露肆』 青空文庫
私は気が付くと、その夜、――後で妹の話を聞いて慄然して飛んで出たが、猫行火に噛着いていて、豆煎を頬張ったが、余り腹が空いて口が乾いて咽喉へ通らないから、番茶をかけて掻込んだって。
— 泉鏡花 『日本橋』 青空文庫
……然うか、と何うも冴え返つて恐ろしく寒かつたので、いきなり茶の間の六疊へ入つて、祖母が寢て居た行火の裾へ入つて、尻まで潛ると、祖母さんが、むく/\と起きて、火をかき立ててくれたので、ほか/\いゝ心持になつて、ぐつすり寢込むだ。
— 泉鏡太郎 『火の用心の事』 青空文庫
ある晩も、やっぱり蒼い灯の船に買われて、その船頭衆の言う事を肯かなかったので、こっちの船へ突返されると、艫の処に行火を跨いで、どぶろくを飲んでいた、私を送りの若い衆がな、玉代だけ損をしやはれ、此方衆の見る前で、この女を、海士にして慰もうと、月の良い晩でした。
— 泉鏡花 『歌行燈』 青空文庫
作例 · 標準
私は毎日行火について考えている。
行火という言葉は日本語で重要だ。
彼は行火の意味を理解している。
この文には行火が含まれている。