一家の主
いっかのあるじ
表現名詞
標準
master of the household
文例 · 用例
すべて貧困の家に育ち、肉親の愛にめぐまれずして家庭的、環境的の不遇に成長した人々は、そのかつて充たされなかった心の飢餓を、他の何物にも増して熱情するため、後に彼が一家の主人となった場合、その妻子の忠実な保護者となり、家庭を楽園化することに熱心である。
— 室生犀星と佐藤春夫の二詩友を偲びつつ 『小泉八雲の家庭生活』 青空文庫
せめて代わりの人のあるまで辛抱してくれと、よしやまだ一介の書生にしろ、とにかく一家の主人が泣かぬばかりに頼んだので、その日はどうやら思い止まったらしかったが、翌日は国元の親が大病とかいうわけでとうとう帰ってしまう。
— 寺田寅彦 『どんぐり』 青空文庫
――どうしたものか、一家の主であるにも拘らず、イワンの兄は弟の晴れの祝宴に姿を見せようともしませんでした。
— 渡辺温 『イワンとイワンの兄』 青空文庫
おかあさんは、一家の主婦として、強く、やさしくなりました。
— ハンス・クリスチャン・アンデルセン Hans Christian Andersen 『お墓の中の坊や』 青空文庫
実は参上して申述べ度きところでありますが、貴兄も一家の主人で子供ではなし、手紙で申してもききわけて頂けると信じ手紙で申します。
— 太宰治 『虚構の春』 青空文庫
許宣ははじめて一家の主人となっておちつくことができた。
— 雷峯怪蹟 『蛇性の婬』 青空文庫
一家の主人で分別盛りの七兵衛は、単にそれだけの出来事で、その怪談を一途に信じるわけにいかなかった。
— 岡本綺堂 『鼠』 青空文庫
當時相當の年齡に達して居て、實社會に立つても堂々たる一家の主人であつた故人の如きも全くそれであつた。
— 長塚節 『記憶のまゝ』 青空文庫
作例 · 標準
病に倒れた父の代わりに、長男が一家の主として家計を支えることになった。
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祖父は、まさに一家の主といった風格で、家族全員から尊敬されていた。
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昔は一家の主の意見が絶対だったが、今は家族会議で物事を決める。
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彼が定年退職してからは、妻が家事の大部分をこなし、一家の主として新しい役割を担っている。
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