富豪
ふごう
名詞頻度ランク #15058 · 青空 962 例
標準
wealthy person
文例 · 用例
富豪であり、大地主であり、県政界の大立物である本田氏の、頭蓋骨にひびが入ったと云う、大きな事実に対して、証拠は夢であった。
— 葉山嘉樹 『乳色の靄』 青空文庫
中国の名優の梅蘭芳が帝国劇場に出演しに来たとき、その肝煎りをした某富豪に向って、老妓は「費用はいくらかかっても関いませんから、一度のおりをつくって欲しい」と頼み込んで、その富豪に宥め返されたという話が、嘘か本当か、彼女の逸話の一つになっている。
— 岡本かの子 『老妓抄』 青空文庫
たとえ胴中を枝の貫通した鳥の絵は富豪の床の間の掛物として工合が悪いかもしれぬが、そういう事を無視して絵を画く人が存在するという事実自身が一つの注目すべき啓示ではあるまいか。
— 寺田寅彦 『津田青楓君の画と南画の芸術的価値』 青空文庫
その基本金の現額は十一万八千余ポンドで、そのうち四万ポンドは某富豪が金婚式の際に寄附したそうである。
— 寺田寅彦 『話の種』 青空文庫
タキシードを着た富豪の下僕や雇人等は、乞食の客人を見て吃驚し、主人の制止も聞かないふりで、戸外へ掴み出さうとするのである。
— 萩原朔太郎 『酒に就いて』 青空文庫
「お手本をも一度みんなに見せといて、それからやらせます」 脂肪づいた小富豪らしい身体に、小初と同じ都鳥の紋どころの水着を着て、貝原はすっかり水泳場の助手になり済ましている。
— 岡本かの子 『渾沌未分』 青空文庫
生一本の酒を飲むことの自由自在、孫悟空が雲に乗り霧を起こすがごとき、通力を持っていたもう「富豪」「成功の人」「カーネーギー」「なんとかフェラー」、「実業雑誌の食い物」の諸君にありてはなんでもないでしょう、が、われわれごときにありては、でない、さようでない。
— 国木田独歩 『号外』 青空文庫
渠は清国の富豪|柳氏の家なる、奥まりたる一室に夥多の人数に取囲まれつつ、椅子に懸りて卓に向えり。
— 泉鏡花 『海城発電』 青空文庫