羅紗
ラシャ
名詞
標準
felt
文例 · 用例
八月の炎天というのに、黒|羅紗の外套を着る、毛糸の襟巻をする、革の手袋をはめる、かくして岩頭に金剛杖をブッ立て、日の出の大観を眺めていた。
— 小島烏水 『奥常念岳の絶巓に立つ記』 青空文庫
兵営は暗く、新しく着せられるカーキ色の羅紗の服は固ッくるしい。
— 黒島傳治 『入営する青年たちは何をなすべきか』 青空文庫
そういう時に、口からはなした朝日の吸口を緑色|羅紗の卓布に近づけて口から流れ出る真白い煙をしばらくたらしていると、煙が丸く拡がりはするが羅紗にへばり付いたようになって散乱しない。
— 寺田寅彦 『喫煙四十年』 青空文庫
羅紗売バビロニ柳掃ひしと、 あゆみをとめし羅紗売りは、つるべをとりてやゝしばし、 みなみの風に息づきぬ。
— 宮沢賢治 『文語詩稿 一百篇』 青空文庫
かれは高野山に籍を置くものだといった、年配四十五六、柔和ななんらの奇も見えぬ、懐しい、おとなしやかな風采で、羅紗の角袖の外套を着て、白のふらんねるの襟巻をしめ、土耳古形の帽を冠り、毛糸の手袋を嵌め、白足袋に日和下駄で、一見、僧侶よりは世の中の宗匠というものに、それよりもむしろ俗か。
— 泉鏡花 『高野聖』 青空文庫
またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、かはつてゐるのをたびたび見ました。
— 宮沢賢治 『『注文の多い料理店』序』 青空文庫
またわたくしは、はたけや森の中で、ひどいぼろぼろのきものが、いちばんすばらしいびろうどや羅紗や、宝石いりのきものに、かわっているのをたびたび見ました。
— 宮沢賢治 『『注文の多い料理店』序』 青空文庫
それからその人たちが赤い毛布でこさへたシャツを着たり、水で凍えないために、茶色の粗羅紗で厚く足を包んだりしてゐる様子を眼の前に思ひ浮べました。
— 宮沢賢治 『化物丁場』 青空文庫
作例 · 標準
祖父が愛用していた厚手の羅紗のコートは、今でも驚くほど暖かい。
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ビリヤード台の表面には、摩擦を調整するために上質な羅紗が張られている。
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軍服に使われる羅紗の生地は、耐久性と防寒性に優れているのが特徴だ。
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