行商人
ぎょうしょうにん
名詞
標準
peddler
文例 · 用例
新開地を追うて來て新に店を構へた仕出し屋の主人が店先に頬杖を突いて行儀惡く寢ころんで居る眼の前へ、膳椀の類を出し並べて賣り付けようとして居る行商人もあつた。
— 寺田寅彦 『寫生紀行』 青空文庫
下甲板の新嘉坡へ行く印度の行商人相手の物売りが上陸してしまうと汽笛が垂直に空から落下傘となって人々のうえに舞いおりる。
— 吉行エイスケ 『孟買挿話』 青空文庫
渡り鳥のように四国の脊梁山脈を越えて南海の町々村々をおとずれて来る一隊の青年行商人は、みんな白がすりの着物の尻を端折った脚絆草鞋ばきのかいがいしい姿をしていた。
— 寺田寅彦 『物売りの声』 青空文庫
新開地を追うて来て新たに店を構えた仕出し屋の主人が店先に頬杖を突いて行儀悪く寝ころんでいる目の前へ、膳椀の類を出し並べて売りつけようとしている行商人もあった。
— 寺田寅彦 『写生紀行』 青空文庫
仕事をする人々――田草取り、行商人、等々――に対して、まことにすまないと思ふ。
— 大田 『行乞記』 青空文庫
剥げた八寸膳の上に薄汚ない茶碗が七ツ八ツ……それでも夏は海から吹き通しだし、冬の日向きがよかったので、街道通いの行商人なぞがスッカリ狃染になっていた。
— 夢野久作 『いなか、の、じけん』 青空文庫
」 行商人と、炬燵で睦まじかったのはこれである。
— 泉鏡花 『眉かくしの霊』 青空文庫
察しのつく通りアッパッパで、それも黒門市場などで行商人が道端にひろげて売っているつるつるのポプリンの布地だった。
— 織田作之助 『大阪発見』 青空文庫