胸板
むないた
名詞
標準
breast
文例 · 用例
然し其時の闘は如何にも突嗟に急激に敵が斫入ったので、氏郷自身まで鎗を取って戦うに至ったが、事済んで営に帰ってから身内をばあらためて見ると、鎧の胸板掛算に太刀疵鎗疵が四ヶ処、例の銀の鯰の兜に矢の痕が二ツ、鎗の柄には刀痕が五ヶ処あったという。
— 幸田露伴 『蒲生氏郷』 青空文庫
昌景自身冑の吹返は打砕かれ、胸板、弦走の辺を初めとして総て弾疵十七ヶ所に達したと伝えるから、その奮戦の程が察せられる。
— 菊池寛 『長篠合戦』 青空文庫
基次自ら先頭に立ち兵を収めんとしたが、銃丸に胸板を貫かれ、従兵|金方某之を肩にせんとするも体躯肥肝、基次また去るを欲せず命じて頸を刎ねしめ之を田に埋めた。
— 菊池寛 『大阪夏之陣』 青空文庫
蒲生氏郷自ら長槍を揮って戦い、胸板の下に三四ヶ所|鎗疵を受け、十文字の鎗の柄も五ヶ所迄斬込まれ、有名な鯰尾の兜にも矢二筋を射立てられ乍ら、尚も悪鬼の如く城門に迫って行ったとあるから、兎に角強いものである。
— 菊池寛 『小田原陣』 青空文庫
暑くて白シャツの胸板のうしろを汗の流れるのが気持ちが悪かった。
— 寺田寅彦 『旅日記から(明治四十二年)』 青空文庫
名を蔵人蔵人といって、酒屋の御用の胸板を仰反らせ、豆腐屋の遁腰を怯したのが、焼ける前から宵啼という忌わしいことをした。
— 泉鏡花 『式部小路』 青空文庫
僕は左の手の平で胸板を撫でたり、「ゲツ、ゲツ、ああ苦しい!
— 牧野信一 『僕の運動』 青空文庫
しばらく戦ったが、槍術は又七郎の方が優れていたので、弥五兵衛の胸板をしたたかにつき抜いた。
— 森鴎外 『阿部一族』 青空文庫
作例 · 標準
彼は毎日ジムでトレーニングを積んでいるだけあって、胸板が非常に厚い。
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競走馬の逞しい胸板を間近で見て、その圧倒的な力強さに驚かされた。
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Tシャツの上からでも、彼の鍛え上げられた胸板のラインがはっきりと分かる。
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