悪心
あくしん
名詞
標準
evil thought
文例 · 用例
」 酔うにつれて、荒涼たる部屋の有様も、またキヌ子の乞食の如き姿も、あまり気にならなくなり、ひとつこれは、当初のあのプランを実行して見ようかという悪心がむらむら起る。
— 太宰治 『グッド・バイ』 青空文庫
これと云ふ悪心の起つた訳ではなく、此戸が開けて見たいと思つて手さぐりをしたのではなかつたが、錠と云ふものが自分と龕との間をしつかり仕切つてあることが、云ひしれず憎悪の感じを募らせた。
— 平出修 『夜烏』 青空文庫
が、きみに対して、今は誓って悪心でない、真心だ。
— ――(前題――楊弓) 『ピストルの使い方』 青空文庫
おなまめだんぶつ、座敷牢だ、と火鉢の前に縮まって、下げ煙管の投首が、ある時悪心増長して、鉄瓶を引外ずし、沸立った湯を流へあけて、溝の湯気の消えぬ間に、笊蕎麦で一杯を極めた。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
私には全くそんな悪心がないのだから、いつでもお返ししたいと思っているのだから、正々堂々、誰の眼にでも、とまるように、あかるみに出して置きたく、そんな気持もあって、電燈の覆いに使用したのである。
— 太宰治 『春の盗賊』 青空文庫
」 前刻から――辻町は、演芸、映画、そんなものの楽屋に縁がある――ほんの少々だけれども、これは筋にして稼げると、潜に悪心の萌したのが、この時、色も、慾も何にもない、しみじみと、いとしくて涙ぐんだ。
— 泉鏡花 『縷紅新草』 青空文庫
」「萌した悪心の割前の軍用金、分っているよ、分っている……いるだけに、五つ紋の雪びたしは一層あわれだ、しかも借りものだと言ったっけかな。
— 泉鏡花 『薄紅梅』 青空文庫
』とわが憎悪心むらむらとうちふるふ。
— 北原白秋 『邪宗門』 青空文庫
作例 · 標準
例文1
例文3
例文5
例文7