偽印
ぎいん異読 にせいん
名詞多音語
標準
forged seal
文例 · 用例
彼はまた従来金には淡白なる武男が、三千金のために、――たとい偽印の事はありとも――法外に怒れるを怪しみて、浪子が旧き事まで取り出でてわれを武男に讒したるにあらずやと疑いつ。
— 徳冨蘆花 『不如帰 小説』 青空文庫
木場は偽印を刻つて捺し別の古本屋に売るのである。
— 永井荷風 『来訪者』 青空文庫
劉生之印のほんものは角形の底の一線が心持半円に外へふくらみを持つてゐるのに、偽印はペタンとして薄情に一直線である。
— 木村荘八 『岸田劉生の日本画』 青空文庫
遺体を盗み出したあと、別な偽印を押す時間は十分あるから、夜警にも分からないし、謎が深まることは言うまでもありません」 警部補が同意してうなずいた。
— The Slave of Silence 『くちなしの花』 青空文庫
わけてその妙技をかたむけ、偽墨偽印の作製に心血をそそいだ蕭譲と金大堅のふたりは、どこが悪いのかと、自分らの面目にかけて、呉用の痛嘆とその後悔の言へ、食ってかかった。
— 吉川英治 『新・水滸伝』 青空文庫
それを、書画商の智恵で息子どのが、自分で書き足したり、偽印を作って、捺したりして、かなり何年も遊蕩費にしていたのだという。
— 吉川英治 『随筆 宮本武蔵』 青空文庫
およそ偽物の画というものには、必ず前例ある実物の偽印が用いられてある。
— 吉川英治 『随筆 宮本武蔵』 青空文庫
というて、決して偽印じゃないな。
— 吉川英治 『随筆 宮本武蔵』 青空文庫