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深林

しんりん
名詞
1
標準
deep forest
文例 · 用例
私は草を敷いて身を横たえ、数百年斧の入れたことのない欝たる深林の上を見越しに、近郊の田園を望んで楽しんだことも幾度であるかわかりませんほどでした。
国木田独歩 春の鳥 青空文庫
けれども、それよりして奥入瀬川の深林を穿つて通る、激流、飛瀑、碧潭の、到る処に、松明の如く、灯の如く、細くなり小さくなり、また閃きなどして、――子の口の湖畔までともなつたのは、この焚火と、――一|茎の釣舟草の花のあつたことを忘れない。
泉鏡太郎 十和田湖 青空文庫
……奥入瀬の深林を一|処、岩窟へ入る思ひがした。
泉鏡太郎 十和田湖 青空文庫
自分がかつて北海道の深林で時雨に逢ったことがある、これはまた人跡絶無の大森林であるからその趣はさらに深いが、その代り、武蔵野の時雨のさらに人なつかしく、私語くがごとき趣はない。
国木田独歩 武蔵野 青空文庫
熊笹の径を通りぬけると果して、思ひがけない大道が深林を穿つて一直線に作られてある。
國木田独歩 空知川の岸辺 青空文庫
談して居ると、突然パラ/\と音がして来たので余は外に出て見ると、日は薄く光り、雲は静に流れ、寂たる深林を越えて時雨が過ぎゆくのであつた。
國木田独歩 空知川の岸辺 青空文庫
これ千年の深林を滅し、人力を以て自然に打克んが為めに、殊更に無人の境を撰んで作られたのである。
國木田独歩 空知川の岸辺 青空文庫
余は時雨の音の淋しさを知つて居る、然し未だ曾て、原始の大深林を忍びやかに過ぎゆく時雨ほど淋びしさを感じたことはない。
國木田独歩 空知川の岸辺 青空文庫