買い切り
かいきり
名詞
標準
buying up
文例 · 用例
菖蒲の湯を買い切りにした料簡になって、全身を湯にひたしながら、天然の岩を枕にして大の字に寝ころんでいると、いい心持を通り越して、すこし茫となった気味である。
— 岡本綺堂 『綺堂むかし語り』 青空文庫
今にわかりますから……」 ってね……そう云ううちに主人が這入って来たら、ヤングはいつもの通りその晩妾を買い切りにして、お料理やお酒をドンドン運び込ませて、妾に思い切り詰め込ましたのよ。
— 夢野久作 『支那米の袋』 青空文庫
手伝うするもんはいるんじゃけに……」「あすは、買い切りじゃがで……」「一日二日はくり合わせますけ」「さア――無理じゃと思うなあ……」 押し問答の後、男はそこに置いていた自転車のライトをとりあげて出て行った。
— 宮本百合子 『猫車』 青空文庫
Y、まだ工合わるくて、行くのいやというので自分一人出かけたら、今日はモスソヴェートのザクルイトイ〔買い切り〕だという。
— 一九三〇年(昭和五年) 『日記』 青空文庫
というのは、近くの町に住む屠殺者で時おり古物商をいとなんでいるユダヤ人のアーロンが突然姿を現わして、何かいきりたって話し合った後、みんなの面前で復活祭のころ渡した時計の代の十ターレルを大聲で催促したために、彼はその手痛い侮辱に居たたまれずに、逃げ出したからである。
— 山深きヴェストファーレンの風俗畫 『ユダヤ人のブナの木』 青空文庫
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