買い占め
かいしめ
名詞頻度ランク #22095 · 青空 28 例
標準
buying up of goods
文例 · 用例
パン粉を買い占めたり、チーズを買い占めたり、そして、それを労働者に高くで売りつける。
— 黒島伝治 『国境』 青空文庫
その時が今から的確に予報できればどこかでネオンガスの買い占めが起こるかもしれない。
— 寺田寅彦 『銀座アルプス』 青空文庫
すなわち、国内で農作が豊年の時は、農作物の値段が下落することを恐れて、植民地や属国から輸入される農作物をその年だけ全部現地で焼き捨てたり、没収したり、安価で買い占めて隠してしまったり、高い輸入税を課してなるだけ国外から入り込まないように努めます。
— 岡本かの子 『仏教人生読本』 青空文庫
マツダとマークするからは最初から腹を繰っていた筈だのに、所詮は、金儲け出来ぬ男だと、権右衛門は松田をおどしたり、そゝのかしたりした揚句、有金全部はたいて、松田の製品を殆んど買い占めてしまった。
— 織田作之助 『俗臭』 青空文庫
三村は千万長者といわれ、三十七八年の戦争の時、ぼろ船を買い占めて儲けたのは異数で、大抵各方面への投資と土地で築きあげた身上であり、自身に経営している産業会社というようなものはなく、起業家というより金貸しと言った方が適当であった。
— 徳田秋声 『縮図』 青空文庫
浪華朝報社では、キューバ糖が、何者かに依って大仕掛けに買い占められつつある事を探知しているようです。
— 夢野久作 『鉄鎚』 青空文庫
春隆もその槍玉に挙げられた一人だが、もともと鈍感なのか、大して参りもせず、むろんその雑誌の買い占めに走りまわったりせず、そんな金があればと、せっせとチケットを買って、十番館へ通っていた。
— 織田作之助 『土曜夫人』 青空文庫
忘れもせぬ、……お前も忘れてはおるまい、……青いクロース背に黒文字で書名を入れた百四十八頁の、一頁ごとに誤植が二つ三つあるという薄っぺらい、薄汚い本で、……本当のこともいくらか書いてあったが、……いや、それ故に一層お前は狼狽して、莫迦げた金と人手を使って、その本の買い占めに躍起となった。
— 織田作之助 『勧善懲悪』 青空文庫