慎ましやか
つつましやか
形容動詞
標準
modest
文例 · 用例
」 と背後から、跫音を立てず静に来て、早や一方は窪地の蘆の、片路の山の根を摺違い、慎ましやかに前へ通る、すり切草履に踵の霜。
— 泉鏡花 『小春の狐』 青空文庫
」 と主税の方へ挨拶して、微笑みながら、濃い茶に鶴の羽小紋の紋着二枚|袷、藍気鼠の半襟、白茶地に翁格子の博多の丸帯、古代模様空色|縮緬の長襦袢、慎ましやかに、酒井に引添うた風采は、左支えなく頭が下るが、分けてその夜の首尾であるから、主税は丁寧に手を下げて、「御機嫌|宜う、」と会釈をする。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
どの姉妹も活々して、派手に花やかで、日の光に輝いている中に、独り慎ましやかで、しとやかで、露を待ち、月にあこがるる、芙蓉は丈のびても物寂しく、さした紅も、偏えに身躾らしく、装った衣も、鈴虫の宿らしい。
— 泉鏡花 『婦系図』 青空文庫
といふほどの慎ましやかさをもつて、もう走り出さうとした彼女の車に向つて、手を振つてゐると、突然僕の耳もとをかすめて、「チエツ!
— 牧野信一 『川蒸気は昔のまゝ』 青空文庫
佳人は白羽根の扇子で悠やかに自分の慎ましやかな微笑を煽ぎながら「朝と、夕暮時と――二度――。
— 牧野信一 『〔モダン紳士十誡〕』 青空文庫
」と慎ましやかに微笑した。
— 牧野信一 『海路』 青空文庫
そして、努めて慎ましやかにその花見の人に愛想を述べた。
— 牧野信一 『お蝶の訪れ』 青空文庫
」 Fは、軽く笑つて慎ましやかに眼を伏せた。
— 牧野信一 『或る日の運動』 青空文庫
作例 · 標準
その女性は慎ましやかな物腰で、誰からも好感を持たれた。
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彼女の慎ましやかな美しさは、派手な装飾を必要としなかった。
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慎ましやかながらも心のこもったおもてなしに、客は深く感謝した。
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