往古
おうこ異読 おうご
名詞
標準
ancient times
文例 · 用例
だが、たとえば、アメリカの機械靴の左右を合わせるのに、ほんの寸法だけで左足の堆積と右足の堆積とから手当り次第に掴み取りして似合の一対とするように、人間が肢を八本もっていたアンドロギュノスの往古に復り度い本能からばかりならば、幾千万の男と幾千万の女との適偶性もまた幾千万と云わなければならない。
— 渡辺温 『アンドロギュノスの裔』 青空文庫
往古は屋玖の島は屋玖国とて異国のやうに聞え、奥州も半ば蝦夷人の領地なりしにや、猶近き頃まで夷人の住所なりしと見えて南部、津軽辺の地名には変名多し。
— 太宰治 『津軽』 青空文庫
われは絃を理めて、先づヱネチア往古の豪華を説きたり。
— IMPROVISATOREN 『即興詩人』 青空文庫
一八四六年カンニングハム大尉の『印度ラダック通過記』に今日アルモラー城ある地で往古クリアン・チャンド王が狩すると兎一疋林中に逃げ入って虎と化けた。
— 虎に関する史話と伝説民俗 『十二支考』 青空文庫
然し往古は詛言は必ず詛する人の望み通りの凶事を詛はれた者に生ぜしむると信じ隨つて甚だ詛言を※れた。
— 南方熊楠 『詛言に就て』 青空文庫
『譚海』一二に、日光山には走り大黒というあり、信受の者|懈怠の心あらば走り失せてその家に座さず、殊に霊験ある事多し、これは往古中禅寺に大なる鼠出て諸経を食い敗り害をなせし事ありしに、その鼠を追いたりしかば下野の足緒まで逃げたり。
— 鼠に関する民俗と信念 『十二支考』 青空文庫
* 斯のやうに私は、その生活を歌のために踏みにぢられ、悲惨な目に遇ひながらも飽かずに往古の哀歌詩人の上を想ひ、羨んでゐたところが、近く私は、村長の頼みに依つて、登場歌――合唱歌――哀悼歌――の三部より成る酒神頌歌を創ることになつたのであります。
— 牧野信一 『歌へる日まで』 青空文庫
進化論は一方に於て、人類中心の舊信仰を根柢より破壞し盡し、餘勢の及ぶ所、往古の一致思想を破壞せしこと勝げて數ふべからず、實に一面に於ては、分裂時代思想の後勁たるの觀あれども、他の一面に於ては、反てかの分裂時代の氣運に薫熟せられし個々單立の各科學をして、一致時代に入るの準備を爲さしめし者たり。
— 内藤湖南 『學變臆説』 青空文庫
作例 · 標準
例句