金牌
きんぱい
名詞
標準
gold medal
文例 · 用例
科学国の文化への貢献という立場から見れば、むしろ、このほうが帝展で金牌をもらうよりも、もっともっとはるかに重大な使命であるかもしれないのである。
— 寺田寅彦 『火事教育』 青空文庫
つまり言わば某陶工が帝展において金牌を獲たときにその作品に使われた陶土の採掘者が「あれはおれが骨折って掘ってやった土をそっくりそのまま使って、そうした金牌をせしめておきながら涼しい顔をしている」と言って憤慨するのと似たことが実際にしばしば起こるのである。
— 寺田寅彦 『空想日録』 青空文庫
二三年前、O市に水産共進会があって、その際、金牌を獲ち得たこの金魚の名品が試験所に寄附されて、大事に育てられているのだ。
— 岡本かの子 『金魚撩乱』 青空文庫
金牌は一つもなかったようだ。
— 夏目漱石 『カーライル博物館』 青空文庫
そしてついにマリアは、実は彼女の絵の教師が貰ったサロンの金牌を、彼女へおくられたものとして持って来るモウパッサンの愛の偽りに飾られて死ぬのだが、決して、マリアが自分の最後に面した現実はこんな水っぽい、甘いものではなかった。
— 宮本百合子 『マリア・バシュキルツェフの日記』 青空文庫
彼女の傑作「出あい」はサロンで二等になったにもかかわらず、若い娘の作品にしては立派すぎる、非常によいことが却ってさまざまな中傷を産んで、当然として周囲からも期待されていた金牌は、第三位の永年サロンに出品している芸術的には下らない画家に与えられたのであった。
— 宮本百合子 『マリア・バシュキルツェフの日記』 青空文庫
自治の城とも云ふ人間もある様だが、其実、城処の騒か、家と云ふのも勿体ない位、何時見てもカラ/\してゐる奴で、湿り気は微塵もない、それで以て、汚い事、古い事、セントルイスの博覧会にこれを出したら、蓋し、金牌物だらうと云ふ話し。
— 尾崎放哉 『俺の記』 青空文庫
老人の部屋には、金牌を二つ三つ貰つたと云ふ岩津波と云ふ大きいさつきの鉢が置いてあつた。
— 林芙美子 『旅人』 青空文庫