生け簀
いけす
名詞
標準
fish pen
文例 · 用例
――だが主膳は、そういう目にあった幾人もの女が、やがてはみな主人の局に、生け簀の美魚のごとくよろこんで飼われているのを眼に見てきた。
— 世の辻の帖 『私本太平記』 青空文庫
いけすかねえ野郎は、かまうこたない、出刃庖丁で頸をちょんぎったるんだ。
— 黒島傳治 『土鼠と落盤』 青空文庫
」と声を震わし、畳を叩きていきまけば、ニタニタと北叟笑、「フフン、御恩ゴオンと、ニコライの鐘みたいにいけすかない音をお出しでない。
— 泉鏡花 『貧民倶楽部』 青空文庫
含春も亦明敏にして、此の句を見て略ぼ心を知り、大に當代の淑女振を發揮して、いけすかないとて父に告ぐ。
— 泉鏡太郎 『唐模樣』 青空文庫
その男は小郷虎吉といい、もと軍需会社の幹部で、旧円と新円の切りかえの時、銀行と結託して、莫大な新円を手に入れ、毎夜、祇園先斗町、木屋町の魚町や、キャバレーへ出没しているような五十男だったから、千枝子はもとより好きになれず、いや、むしろいけすかない客だと思っていた。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
「なんや、小郷か」 君勇はいけすかない小郷からの貰いだと判ると、にわかに不愉快になったが、「一杯いただきまひょ」 と、盃をねだった。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
が、往年の名妓も、茶屋のおかみに収まってしまえば、ことに、きょうこの頃の新円生活では、いけすかない野暮な小郷を、大事な客だと思わねばならぬくらい意地も張りもなくしてしまっていた。
— 織田作之助 『それでも私は行く』 青空文庫
」十五「失敬な奴ぢゃ、てッたような訳だわね、不都合だよ、いけすかない、何だ手前は、」ふらふらするのを踏こたえて、「誰に断ったの、畜生、こっちへ来ないかい、打ってやるから、」と袖を飜して、手を挙げたが、そのまま立ってるさえ物憂げであった。
— 泉鏡花 『湯島詣』 青空文庫
作例 · 標準
例句1
例句2
例句3
例句4