微睡
びすい
名詞
標準
doze
文例 · 用例
そうして身動き一つ出来ず、微睡むことも出来ないままに、離れ離れになって悶えている私たち二人の心を、窺視に来るかのように物怖ろしいのでした。
— 夢野久作 『瓶詰地獄』 青空文庫
狂ほへる酒に夢みる情緒と、あたゝかき抱擁に微睡む官能とは、時來るや突如として眼覺め、振盪して微妙なる音樂を節奏し、閃めき來つて恍惚たる繪畫を點綴す。
— 石川啄木 『女郎買の歌』 青空文庫
日はわびしげに四辻の巷にうるみ、都路はもの疲れしてたゆげにも微睡むここち。
— 薄田泣菫 『泣菫詩抄』 青空文庫
「さあ、眼をつぶって微睡して居る様子をして下さい。
— 小酒井不木 『闘争』 青空文庫
滋くなって来た雨の音を聴きながら、心の穏やかでなかった庸三は、うとうと微睡んだと思うと目がさめたりして、そこに侘しい一夜を過ごした。
— 徳田秋声 『仮装人物』 青空文庫
四 とろとろと微睡むかと思うと、お増はふと姦しい隣の婆さんの声に脅かされて目がさめた。
— 徳田秋声 『爛』 青空文庫
稚児はすでに熟睡して、イワンも微睡みはじめたり。
— VECHERA NA HUTORE BLIZ DIKANIKI 『ディカーニカ近郷夜話 後篇』 青空文庫
そして始終彼は、毛布のなかにもぐりこんで、微温と微睡とのうちに時を過している。
— 豊島与志雄 『意欲の窒息』 青空文庫