厳酷
げんこく
形容動詞名詞
標準
severity
文例 · 用例
学校のおつとめからお帰りになって、隣りのお部屋で、私たちの話を立聞きして、ふびんに思い、厳酷の父としては一世一代の狂言したのではなかろうか、と思うことも、ございますが、まさか、そんなこともないでしょうね。
— 太宰治 『葉桜と魔笛』 青空文庫
制帽の庇の下にものすごく潜める眼光は、機敏と、鋭利と厳酷とを混じたる、異様の光に輝けり。
— 泉鏡花 『夜行巡査』 青空文庫
世界中の人間に、しんから敬服されたいものだ、僕の俊敏の頭脳と、卓抜の手腕と、厳酷の人格を時折ちらと見せて、あらゆる人間に瞠目させたい等と頬杖ついて、うっとり思案してもみるのだが、さて、僕には、何も出来ない。
— 太宰治 『新ハムレット』 青空文庫
その文章駆使に当って、いま一そう、ひそかに厳酷なるところあったなら、さらに申し分なかったろうものを。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
私、幼くして、峻厳酷烈なる亡父、ならびに長兄に叩きあげられ、私もまた、人間として少し頑迷なるところあり、文学に於いては絶対に利己的なるダンディスムを奉じ、十年来の親友をも、みだりに許さず、死して、なお、旗を右手に歯ぎしりしつつ巷をよろばいあるくわが身の執拗なる業をも感じて居るのだ。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
冷酷ということについて 厳酷と冷酷とは、すでにその根元に於いて、相違って居るものである。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
厳酷、その奥底には、人間の本然の、あたたかい思いやりで一ぱいであるのだが、冷酷は、ちゃちなガラスの器物の如きもので、ここには、いかなる花ひとつ、咲きいでず、まるで縁なきものである。
— ――当りまえのことを当りまえに語る。 『もの思う葦』 青空文庫
」 われとわが作品へ、一言の説明、半句の弁解、作家にとっては致命の恥辱、文いたらず、人いたらぬこと、深く責めて、他意なし、人をうらまず独り、われ、厳酷の精進、これわが作家行動十年来の金科玉条、苦しみの底に在りし一夜も、ひそかにわれを慰め、しずかに微笑ませたこと再三ならずございました。
— 太宰治 『創生記』 青空文庫
作例 · 標準
この学校は教育方針が厳酷なので、生徒たちは常に緊張している。
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自然界の厳酷な掟は、時に人間には理解しがたい。
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上司の厳酷な指導のおかげで、私は大きく成長できた。
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