苛酷
かこく
形容動詞
標準
文例 · 用例
しかし所詮ニコロは現在に生きる女性だ、彼女の愛情は未来を苛酷に約束する。
— Love on Drought 『恋の一杯売』 青空文庫
――アンナ・ニコロ、貴女もまた運命を苛酷に取あつかう女の一人なのです。
— Love on Drought 『恋の一杯売』 青空文庫
2 部屋にかえると私は壁の黄色いボタンを執拗に押えつけて印度女の乱暴さをのろうように苛酷に一瞬間を指の先に約束する。
— 吉行エイスケ 『孟買挿話』 青空文庫
彼の骸はすでに苛酷に滲んだ苦悩は去ってセラフの哀悼歌が人々の心に悲しくこだました。
— 吉行エイスケ 『地図に出てくる男女』 青空文庫
もしブルジョワが犠牲を少くしようためにはプロレタリアに対する苛酷が約束さるべきだ。
— 吉行エイスケ 『地図に出てくる男女』 青空文庫
事実は、或いは、もっと苛酷な状態であるかも知れない。
— 太宰治 『善蔵を思う』 青空文庫
僕には、ぎりぎりに苛酷の秩序が欲しいのだ。
— 太宰治 『乞食学生』 青空文庫
かつて叡智に輝やける眉間には、短剣で切り込まれたような無慙に深い立皺がきざまれ、細く小さい二つの眼には狐疑の焔が青く燃え、侍女たちのそよ風ほどの失笑にも、将卒たちの高すぎる廊下の足音にも、許すことなく苛酷の刑罰を課した。
— 太宰治 『古典風』 青空文庫